データ活用の取り組みが必須となる中、BIやBIツールという言葉を聞く機会が多くなってきました。ITの世界は英語やその略が多く使われており、この「BI」もよく分からない言葉の一つだと思います。
またBIに関連する用語も同様に分かりづらい横文字が多く、とっつきにくいと感じる方も少なくありません。そこで、まずはBIに関する英語や略称用語の意味を理解して、BIの必要性をご理解頂ければと思い記事を作成しました。用語が理解できると、BIやデータ活用についてもより理解度が高まるはずです!
BI/BIツールって英語でなんて言うの?
BIは「Business Intelligence (ビジネス・インテリジェンス)」という英語を略したものです。同様にBIツールは、「Business Intelligence tools(ビジネス・インテリジェンス・ツール)」の略です。直訳すると「ビジネスにおける知能、思考力」となりますが、これではよく分かりませんね。BIとは、企業におけるさまざまな社内外のデータを集め組み合わせて、分析や可視化を行い、客観的なデータから得られた知見を活かして、ビジネスに必要な意思決定、判断を可能にする手法を言います。そして実際にBIを行うにあたり、その手順や工程を効率化・自動化してくれる道具が「BIツール」です。
昨今注目を集めている「データドリブン経営」もBIツールを用いて、データを経営判断へ積極活用する動きだと言えます。つまり、BIやBIツールは経営から現場の業務改善までのあらゆるビジネスの場面で必要になる考え方であり道具です。
デジタル化が進み、大量に生み出され続けるデータを活用することは、今後の企業戦略において最も重要なものになることでしょう。データは企業の宝です。そのデータを、BIツールを使って経営に生かしていきましょう。
BIツールに関係する言葉って横文字、英語ばっかり…。そこで用語を徹底解説
BIツールという言葉自体が英語で、用語も英語を略したものだからすんなりと頭に入ってこない…、という方も多いようです。そこで今回の記事では、そんな不安を払拭できるようの用語を徹底解説していきます。案外分かりやすいツールであることをご理解いただけますと嬉しいです。
BIには必要な5つの手順がありますので、手順毎に横文字用語を解説していきます。
- 手順①データを収集する
BIツールで分析するためには、まず社内外のデータを集める必要があります。これらデータの源泉となるものを「データソース(Data Source)」と言います。BIを行うにはまずさまざまなデータソースと接続し、データを収集する仕組みが必要です。またデータは常に更新されていくものなので、頻繁に収集しなくては最新の状況を把握することができなくなります。そのため、自動で定期的にデータを収集する仕組みを整備することが理想的です。
- 用語その1:データソース(Data Source)
データソースとはシステムがデータの読み込みや書き出しをおこなうためのデータの保管場所を指します。
- 手順②データを加工する
収集したデータはそのままでは利用できません。不要なデータ、重複したデータの除外や、「1000円」「¥1000」のような同じ意味なのに入力内容が違うデータの表現の統一などの処理が必要です。いわば集計、可視化前の準備です。それらを行う工程です。
この処理では本来はSQLなどデータベースを扱う専門的な知識が必要になりますが、GUIベースでのETLツールを利用すれば、一般のユーザーでも行うことができます。
- 用語その2:SQL(Structured Query Language)
SQLとは、Microsoft社が開発したMicrosoft SQL Serverのデータベース管理システム(RDBMS)を操作するための言語のことです。データベースにデータを挿入、変更、削除、検索などする際に利用します。企業内のデータベースで多く利用されているデータベース言語とも言えます。
例)INSERT INTO product (`id`, `name`, `price`) VALUES (00001, 'product01', 10000),
- 用語その3:GUI(Graphical User Interface(グラフィカルユーザーインターフェース)の略)
GUIは「ジーユーアイ」「グイ」と呼ばれています。ユーザーが直感的に利用できるよう、アイコンやボタン操作などでプログラムの操作を行える画面などのことです。
例)アイコンを配置で設定を実現できるBIツールの画面

- 用語その4:ETL(Extract、Transform、Load)
ETLとは「Extract(抽出)、Transform(変換)、Load (書き出し)」の略であり、システムからデータを抽出し、変換・加工作業を行い、次の工程のDWH(※用語その5へ)へ書き出す機能を搭載したツールです。
- 手順③データを蓄積/保管する
集めたデータを蓄積し保管する場所を用意しなくてはなりません。これが「DWH」(Data Ware house 、データウェアハウス)です。
多種多様で増大する一方のデータを長期間保管する場所になるので、DWHには大容量で高性能なIT設備が必要です。そのため以前は導入のハードルが高かったのですが、現在は従量課金型のクラウドDWHもあり、導入しやすくなっています。
- 用語その5:データウェアハウス(DWH(Data Ware houseの略))
DWHとは、データを保管する倉庫(Ware house:ウェアハウス)のことです。データ分析に特化したデータベースであると言え、例えば会計管理、在庫管理、顧客管理などのさまざまなシステムのデータがシステムごとに、時系列に沿って削除や更新されることなく蓄積されていきます。
- 手順④データを可視化/分析する
データをグラフや表などで分かりやすく表現し、分析を行います。作成したグラフや表を一覧表示し、一目で分析結果が分かるようにした「ダッシュボード(Dashboard)」の作成を行うことも多いです。
BIと言えば、データの可視化/分析です。確かに一般的にこの段階がイメージされますが、データの収集から保管までの前工程が適切に行われていることで初めて可能になることにご注意ください。
- 用語その6:ダッシュボード(Dashboard)
ダッシュボードとは、データ分析の結果を表示する機能の1つで、BIツールから得られた情報をより直感的に分かりやすくする機能です。月別の売上や顧客別の売上、商品別の売上とそれら商品売上の前年度比や支店別の情報などをグラフで並べて比較することができたりして、一目で分析結果が分かるというものです。
例)さまざまなグラフや表を活用してデータを可視化させているBI活用例

- 手順⑤データを共有する
可視化したデータは適切に共有されることで、次のアクションに繋がり意味を持つものになります。 経営層へ共有されることで経営上の意思決定に活用され、現場担当者に共有されることで現場の改善活動に活かされます。見逃されがちですが 、BIの目的がビジネス成果を得ることだと考えれば忘れてはならない重要な工程です。

BIツールはデータの取り込みや集約を、いかに手作業を介さず行うことができるかがポイント
実はNDIソリューションズもBIツール導入に失敗した経験があります。⼀度はBIツール導⼊を⾏ったものの、データの取り込みや集約には専⾨知識が求められるため、結局Excelを使った⼿作業に戻らざるを得なくなっていました。
中でも業績管理のレポート作成は、事業会議、取締役会議、グループ会社の事業会議など⽉に6回、各種システムから集めたデータを丸⼀⽇かけて集計・加⼯する⾮常に煩雑な作業となっていました。
NDIソリューションズにとって最⼤の問題であった散在するデータの取り込みと集約は、BIプラットフォーム「Domo(ドーモ)」の多様なコネクターを利⽤することで、特別な知識無くDomoのDWHに取り込む事が可能になりました。これにより、複数種類のSaaSやオンプレミスのシステムに散在するデータを含め必要なデータを集約し、スピード感を持った社内運⽤が可能になりました。
データの取り込みのポイントとなるのは、コネクターと呼ばれるシステム同士をつなぐ接続部品が豊富に用意されているかどうかにあります。最近では、SaaS製品であればWebAPI機能などが用意されているためAPIさえ叩ければ大丈夫、と思われる方も少なくないかもしれませんが、APIを一般社員が使いこなすことは困難です。「社内外のシステム専門家に依頼しなければ進まない」、「依頼するたびに時間やお金がかかるのでツールの活用も進まない」、そういったケースは想定できます。
分析結果を表示するグラフ数が少ない場合も同様です。弊社では、「滝チャートグラフ」と呼ばれるグラフをよく利用していますが、今回の「Domo」導入に一役買ったのは、このグラフがあったから、とも言えます。

まとめ
私が入社数年でBIを勉強したときにまず引っかかったのは英語の用語や省略語でした。それらの用語をなかなか覚えられいので、同じ用語がでてくるたび何度も調べなおすということもありました。そこで皆様の理解のお役に立てるように本記事にまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
なじみのない英語や省略後での説明文は全く頭に入ってきませんからね(笑)。まずは、用語を知って「BIとはこういうものなのか」とふわっとでもご理解いただけていましたら幸いです。
当サイトでは、BIツールに興味のある方へ、参考になるダウンロード資料をご用意しております。「みんなでデータ活用するためのBI入門ガイド」と「統合型BIプラットフォーム Domo基本ガイドブック」は、データ活用やBIツール導入のポイントが把握できる資料になっています。BIツールご検討の参考に、ぜひダウンロード資料をご覧ください。
