2022年06月07日 07:30
最近「データドリブン(Data Driven)」という言葉をビジネスの現場でよく聞きます。しかし、その意味がよくわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?本記事では、データドリブンとは何か?なぜ必要とされているのか?データドリブンが、経営、マーケティング、現場業務の問題解決にどのように役に立つのかを、わかりやすくご紹介します。
データドリブンを、そのまま直訳しますと「データ駆動」という言葉となります。もっとわかりやすい表現で説明しますと「データに基づいて動く」ことです。企業活動、ビジネスの現場において、データに基づいた施策を立案したり、行動を変化させたり、様々な意思決定を行っていくことを示します。
反対の言葉の例としては、「KKD」という言葉、「勘」「経験」「度胸」があてはまります。企業経営や業務の現場において、過去からの経験を生かし、勘や度胸をもって様々な判断をしたり、指示をしたり、行動をしていくケースは以前より行われておりました。これは決して悪い事ではありませんが、最近ではデジタルテクノロジーの進化による情報化社会を背景に「データドリブン」の考え方が注目されているのです。
「データドリブン」の使われ方として、データに基づいた経営判断、意思決定を行っていく事で事業の成果をだしていくことを「データドリブン経営」、データ活用を前提としたマーケティング手法を「データドリブンマーケティング」などと言います。
データ活用で大切な3つのポイント
みんなでデータ活用するためのBI入門ガイド
データドリブンが注目され必要とされている背景としては、主に2つの点があげられます。
コンピュータ技術の発展と共に、デジタルデータは増えてきました。しかし、以前までは、コンピュータが理解できる形式で保管されたデータのみが分析や活用の対象でした。AI等のデジタルテクノロジーの進化によって、これまでデータとしては扱えなかった、画像、動画、音声のなどのデータをAIが理解し、コンピュータが扱えるデータとして扱える様になりました。例えば、ある男性の写真をコンピュータに保存していたとします。以前までのテクノロジーでは、コンピュータの中にある画像ファイルは、その解像度(画像の密度、表示の細かさ)がどのくらいで、何というファイル名で、どの位の容量(サイズ)のデータであるといった情報しかコンピュータは理解していませんでした。
それが男性の写真である事は、ファイル名やフォルダ名などにテキスト情報として追記しておく必要があったのです。
ところが、AIの画像認識技術を使う事で、写真に写っているのは、人間であり、男性であり、年代は何歳位で、どんな体形、髪型など、特徴も認識をし、それらの情報をコンピュータが理解できる形式で付与する事が可能となりました。また、これらのデータは、例えば、世界中に設置しているネットワークカメラから、インターネットを通じて大量に収集することも可能となったのです。このデータ(ビッグデータと言われたりします)を収集し活用し、新たな発見をする目的でもデータ分析が行われるようになり、データドリブンは、より一層注目され必要とされるようになりました。
次に、DXの推進も背景といえます。経済産業省は、DXレポートの中で、「ITシステム2025年の崖」と、「DX実現シナリオ」を発表しました。このレポートに関して、本記事では詳しく説明いたしませんが、日本の国際的な経済競争力低下の大きな要因のひとつはデジタルテクノロジー活用の遅れであるとしています。
DXというと、「デジタルテクノロジーで、全く新しいビジネスを創出し、圧倒的なスピードをもって、競争上の優位性を得て、破壊的なイノベーションを起こす事」をイメージされる方も多いと考えます。しかし、一般企業におけるDXとは、もっと身近にとらえて「企業の抱える身近な問題、日々新たに発生する問題への迅速な解決策として、デジタル技術を活用していく企業風土と、そのための環境整備」だと考えます。
日々の身近な問題への解決策として、デジタルテクノロジーを活用する為には、企業の社内外にある様々なデータを集めて管理し、分析、活用していく事が重要です。DXへの取り組みにおいても、データドリブンは必要となっているのです。
データドリブンが組織で役立つポイントを3つの例でご紹介します。
企業経営では、日々様々な環境の変化に応じて、新しい施策を実行し、意思決定をしていく必要があります。これまでは、社内システムに分散して所有している様々なデータ、ある社員のパソコンにあるEXCELファイル、外部の調査会社から入手した市場データ、紙媒体から得た情報等々、色々なデータを参考にしながら、これまでの経験、勘も含め、総合的に判断して経営してきました。
データドリブンを経営に生かす、ひとつのポイントとしてはBI(ビジネスインテリジェンス)ツールの機能である「ダッシュボード」の活用があります。ダッシュボードは、様々な情報源のデータを集めてつなぎ合わせ、グラフィカルに直感的にわかりやすく表示します。更に必要な情報を追加したり、絞り込んだり、深掘りしたりする機能も備えています。経営に必要な様々な情報を、自動で集めてきて、見える化し、数字・データに基づく意思決定に役立てることができます。
マーケティングや営業活動では、様々なデータを蓄える事により、受注確立の高いパターンを再現したり、失注の確立を下げたり、営業個々人のスキルに依存しない標準化を進めたり、顧客の購買行動に合わせたマーケティングアプローチなどに役立てたりすることができます。
例えば、あるマーケティング手法と、別のマーケティング手法で、どちらを本番で採用するか悩んでいる問題があるとします。それぞれにテストマーケティングを行い、その反応数をデータとして計測、分析する事で、データに基づいて効果的な手法の選択をする事が可能となります。
また、営業マネジメントの現場では、「本日何件の見積書を提出した」とか「何円の受注をした」などの結果を報告することはよくあると思います。しかし、様々な営業の活動をデータ化する事はデータドリブンの役にたちます。
これらの活動の結果をデータとして蓄積し、分析する事で、今後の営業活動に生かす。まさに、データドリブンな営業マネジメントに役立つと言えます。
仕事現場の様々な業務における現場力の向上の視点でもデータドリブンは活用できます。業務を改善しようという時には、現状の問題点を洗い出し、あるべき姿を考え、そのギャップを解決する施策を考えようというステップで検討することがあると思います。こういった施策を管理する時には、なるべく数値化して現状とゴール、その進捗を管理できる様にする事がポイントです。ゴールまでの道筋、マイルストーンがみえないと、現場が「やらされ感」を感じてしまう事がある為です。
BIツールのダッシュボード活用のひとつとして、施策や改善活動の進捗の「見える化」があります。
目標やゴールまでの道のり、自身が担当する施策の達成度、周囲の社員の取り組みテーマと達成度などを、現場社員一人一人に「見える化」し、気づきを与える事で、自主自律した行動を促すことに役立ちます。まさに組織に役立つデータドリブンといえます。
データドリブンとは、「データに基づいて動くこと」です。AI等のデジタルテクノロジーの進化により注目されDXの実現においても必要です。例えば、経営ダッシュボード、データに基づくマーケティングや営業活動、「見える化」による現場力の向上にも役に立ちます。
データドリブンでDXを実現する為には、データを集めて、分析し、加工し、直感的に見せる、データマネジメント基盤が必要です。それらの機能を備えたツールをBI(ビジネスインテリジェンス)ツールと呼びます。皆さんの企業でも、BIツールを活用したデータドリブンな組織、企業風土の実現を目指してみてはいかがでしょうか?
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