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BIとDWHの違いとは?機能や役割を徹底解説

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2024年08月20日 07:30

businessman hand working on laptop computer with digital layer business strategy and social media diagram on wooden desk-2

ビッグデータの活用が注目されて以来、データの取り扱いや分析ツール導入における検討時において、さまざまな用語が頻繁に使用されるため混乱しやすくなっていいます。そのため、事前に正しい知識を持っておくことが求められます。

今回の記事では、BI(ビジネスインテリジェンス)とDWH(データウェアハウス)の違いについて焦点を当てるとともに、最近のデータ分析で注目を浴びるプラットフォーム型のBIについても解説していきます。

本記事を読めば、BIとDWHについてそれぞれの概要、機能や役割の違い、また最新のデータ活用に使われているシステム全体像について理解できるようになります。ぜひ最後までご覧ください。

BIとは

BI(ビジネスインテリジェンス)は、企業がデータに基づいた意思決定を行うための手法およびツールの総称を指しています。この概念は1958年にIBMの研究員によって初めて提唱されました。具体的には、売上データ、在庫データ、顧客データ、営業データなど、各部署が持つデータを一元化し、多角的に分析することが可能となります。

1960年代には既に意思決定支援システム(DSS)の一部として認識され、80年代から90年代にかけてコンピューターを用いたビジネス意思決定手法として広まるなど、60年前頃から一部のビジネスの世界では既に注目され始めていたのですが、今ではもっと多くの業界が利用しはじめ、「BI」という言葉も社会に浸透し始めてきました。

同様にBIツールにおいても目覚ましい発展が遂げられてきており、企業の基幹系システムをはじめとする様々なシステムのデータを利用する形に発展したほか、セルフサービス分析やAI予測分析、また信頼性の高いデータ管理プラットフォーム上での利用ができるようになるなど多くの変遷が遂げられています。

BIツールの導入によるメリットは、なんといっても経営者やマーケティング担当者が専門的な分析スキルなしで、短時間でビッグデータの分析を行えるようになる点です。これにより、迅速な経営判断、売上予測のシミュレーション、在庫管理の最適化などが実現しやすくなります。現代の企業経営において、BIツールはまさにデータドリブンな意思決定を支える重要な役割を果たしているのです。

以下の記事では、各業界でデータ活用に注目が集まる理由とデータ活用事例についてご紹介しています。具体的な利用方法や企業の取り組みにご興味のある方は、ぜひご覧ください。
関連記事:データ活用による企業のメリットや成功事例をご紹介

DWHとは

DWHとは、「Data Warehouse(データウェアハウス)」の略で、企業の様々な業務で発生する大量のデータを時系列や内容別に整理して保管するシステムを指します。「倉庫」という意味の「ウェアハウス」という言葉からも分かるように、DWHはデータの保管庫としての役割があるのです。

基幹系システムでは通常、過去のデータは半年から1年程度で更新され、古いデータは削除されることが多いのですが、DWHでは過去のデータも削除や更新を行わずに保持し続けられることが特徴です。これにより、過去のデータと現在のデータを比較して分析することが可能となり、例えばコンビニエンスストアの売上データを分析して、特定の天候や気温の下で特定の商品がどの時間帯に売れやすいかを把握する、などと言ったことができます。

DWHが登場する以前は、データの保存には高いコストがかかり、不要なデータは随時削除する必要がありました。しかし、DWHの導入により、大量のデータを時系列かつ内容別に分類しながら重複を統合し、更新することなく保管できるようになったのです。今では中小企業でも安価かつ容易にデータの保管や活用の基礎を築けるようになったのも、DWHのおかげです。例として、Amazon Web Services(AWS)のRedshiftGoogleCloudのBigQueryといったDWHサービスなどが代表的な製品として挙げられます。

また、DWHは大量のデータを処理できるように設計されており、専用のコンピューターを用いることが一般的です。この後の章「BIとDWH活用に外せないETLとは」で解説するETL(Extract, Transform, Load)と呼ばれる作業をDWHへデータを蓄積する前に行うことで、BIツールによる分析がしやすくなります。

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BIとDWHの違いについて

DWHは、各システムから収集したデータを最適な形式で集約・蓄積し、長期間にわたって保持することが特徴です。これにより、過去のデータと現在のデータを比較して分析することが可能となります。

一方、BIツールは、DWHに蓄積されたデータを取り出して分析し、グラフやレポートなどの視覚的な形式で可視化するためのツールです。データの集計、分析、マイニング、加工などの機能を提供し、ユーザーがデータに基づいた意思決定を行うのを支援します。

以下はBIとDWHの違いについて、要点をまとめた表です。

  BI DWH
目的 データを分析し、ビジネス上の意思決定に役立つインサイトの発見や、経営戦略を策定するための「意思決定支援システム」。 企業の様々な業務で発生する大量のデータを時系列や内容別に整理する「データ保存システム」。
システム フロントエンド バックエンド
役割 分析のためにDWHからデータを収集し、ビジネスレポート、チャート、グラフを作成する。 さまざまなデータソースからデータを収集し、BIユーザーに組織が利用できる構造化されたデータを提供する。
主な機能
  • 分析処理
  • データの視覚化
  • データマイニング
  • クエリ/レポートツール
  • データの取得・収集
  • メタデータ管理
  • データのクリーニング
  • データの変換
  • データの配信
  • データ復旧/バックアップ計画

上記の表からも見て取れるように、どちらのプロセスが欠けても、効果的なデータ分析は実現できません。ですから、DWHとBIを組み合わせることで、企業は効率的かつ効果的にデータを活用し、競争力を高めることが可能となるのです。

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BIとDWH活用に外せないETLとは

ここまではBIとDWHについて、それぞれの機能や役割、また両者の違いについて見てきました。最後に、これらを効果的に活用するために欠かせない、もう一つのシステムであるETLについて解説していきます。

ETLとは「Extract(抽出)、Transform(変換)、Load(書き出し)」の略であり、複数のシステムからデータを抽出し、適切な形式に変換し、DWHに書き出す役割を果たします

企業では、販売管理、顧客管理、生産管理、購買管理など、様々な基幹システムが稼働していますが、ETLはこれらのシステムからデータを効率的に抽出し、DWHに整理して保管します。これにより、DWHは企業内の全データを一元管理し、長期間にわたって保持できるようになるのです。

以下の図は、ETL、DWH、BIを使ってデータ活用による意思決定を行えるまでのデータの流れを示しています。

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上記のフローから分かるとおり、ETLツールが抽出・変換・書き出しを行ったデータをDWHに保管し、DWHに蓄積されたデータはBIツールによって分析され、グラフやレポートなどの形で可視化されます。

近年では、DWH、ETL、BIツールの3つの機能が一体化したプラットフォーム型ツールの出現により、これまでは3つバラバラに行われていた処理が、データの収集から分析までをシームレスに行えるようになりました。これにより、ビッグデータの活用が進み、企業はデータに基づいた戦略的な意思決定を迅速に行えるようになるのです。

また、前述したプラットフォームの代表的な製品と言えば、Domo(ドーモ)が挙げられます。
この記事では、Domo(ドーモ)がなぜ注目されているのか、また基本的な機能や活用方法についてご紹介しております。最新のBI動向についてご興味のある方は、ぜひご覧ください。
関連記事:Domo(ドーモ)の使い方とは? 弊社NDISでの使い方もご紹介

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まとめ

いかがでしたでしょうか。この記事では、BIとDWHのそれぞれの機能や役割について、また両者を効率的に利用するために欠かせないETLを含めた解説を行いました。

これまではそれぞれが独立していたので、三者をうまく使いこなしデータ活用する必要がありましたが、現在ではそれらを一元管理してくれるツールの導入にも注目が集まってきています。

ビッグデータを効率的に活用するには、まずは導入するシステムが使いやすいかどうかが非常に大切です。例えばDomoのように、高度な知識を持たなくてもすべての機能がまとまっていて簡単に使いこなせるツールなら、例え社内にITに精通した人材がいなくてもビッグデータ活用によりビジネスでより大きな成果、他社より抜きんでた経営戦略の策定に貢献できるでしょう。

プラットフォーム型のBIについてご興味のある方は、ぜひこちらの資料をご覧ください。
参考資料:統合型BIプラットフォーム Domo基本ガイドブック

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