kintoneを活用してストックビジネスの更新案内してみました

2022年09月27日 07:30

近年のビジネストレンドに、「サブスクリプション」や「リカーリング」などがあり、それらは総称して「ストックビジネス」と呼ばれています。ストックビジネスは収益の予測が立てられるビジネスモデルとして、各社から様々な新しいサービスが生み出されています。
このようなビジネスにおいては多様化するサービスを管理し、蓄積されたデータを分析すること、つまりデジタルデータの活用が企業の競争優位性となり、その巧拙によってがが利益率の差が生まれてくるのではないでしょうか。
そこで本記事ではストックビジネスに関するデジタルデータを活用した取り組みをご紹介します。ITベンダーにおける「kintoneによる業務部門DX」ともいえる取り組みです。

 

 

まだ「保守契約」と呼ばれていたあの頃を振り返る

かれこれ20年くらい前は、パソコンが1台20万円前後で取引されていました。
その頃の主流は「保守契約」と呼ばれるもので、
“ハードウェアやソフトウェアのメンテナンス、障害対応などのサービスを提供する契約”
と定義されていました。

人間にかける保険と同じ概念で、何かトラブルが発生した際に困らないためにという目的で契約されていました。契約種別も少なく、契約書も紙の一択であり、ある程度のプロセスとルールがあれば、人間による手入力と目検で、十分に運用可能となっていました。
目的も選択肢も、実にシンプルでした。

そこから徐々に、定期点検サービスやファームウェアサービスなどのオプション契約が登場しました。更に、保守パックという保守契約の買い切りサービスも誕生しました。
保守契約という仕組み自体が、様々なニーズに応えるべく複雑化していき、プロセスとルールにも変化の波が押し寄せました。
そして、2011年に電子署名法が施行され、紙の一択だった契約書も変化していきます。
また、2016年頃より電子請求書の利用企業が大幅に増加していきます。

契約書締結、請求書発行、契約データ管理、契約更新案内など、各プロセスにおいてニーズに合わせた選択肢が多数発生することで、運用パターンが多様化しました。案件発生毎に「これはどのパターン」という判断が細分化することで、人間による手入力と目検にハイレベルなスキルが必要となり、業務の属人化が進みました。
担当者が体調不良などによりダウンすると、業務が止まる・・・そんなことが“仕方ない”という状況でした。

 

「ストックビジネス」の重要性を改めて認識、どう大切にしていく?

近年はハードウェア自体の低価格化が進み、メーカーは保守パックとのセット販売を行い、今まで主流だった「保守契約」が減少傾向となっています。そのため、属人化したままの業務、人海戦術でなんとか乗り切ろうとしていた部分がありました。

Adobe社が2012年にプロダクト販売からサブスクリプションへ切り替えを行いました。
これが、「サブスクリプションの原型」と言われています。
その後、「サブスクビジネス」が一気に加速したのは、皆さまご存知のとおりです。
保守契約ではないけど、契約データの管理が必要であるため物販ではない。
それまでの案件種別では分類できないサービスの登場です。
取引(支払)が1度きりだったソフトウェア製品などが、月額で支払をする「ストックビジネス」へと変化していきました。「サブスクビジネス」の出現により、「保守契約」以外のサービスが増加して、「ストックビジネス」という大きな案件種別の1つとなりました。

1度きりの取引だった製品が、毎月お客様と繋がるビジネスへとシフトしていきます。
そこに、ビジネスチャンスが生まれます。
「ストックビジネスは、競争上の優位性を確立できる、重要なコンテンツなんだ!」
と私たちは認識します。
しかし、ビジネス環境の激しい変化や増え続ける運用パターンに、人海戦術での対応は限界があります。既に現場は疲弊していました。

いよいよ「脱属人化」に本気で取り組まなければいけない時期にきていました。

 

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課題は無限大、だけど可能性も無限大

基幹システムの改修が、ビジネス環境の激しい変化に追い付けない。
私たちが抱えていた大きな課題でした。

しかし、脱属人化を実現するためには、システム活用は重要なポイントとなります。
「現場の、現場による、現場のためのシステム」
kintoneと出会った時、私たちの求めていたものはこれだ!と感じました。

kintoneを活用した業務改善の取り組み内容を時系列順に記載します。

①プロセスの可視化と分析(業務プロセスの見直し)
②業務用kintoneアプリ構築(部門間情報連携や案件情報の証跡などに使用する)
③RPA導入(人間による判断が不要なルーチンワークに適用)
④CLOUD SIGN(クラウドサイン)導入による契約関連書類の電子化(kintoneとのAPI連携)
⑤BtoBプラットフォーム 請求書導入による請求書電子化(kintoneとのAPI連携)
⑥kintoneアプリ活用による契約更新案内のデジタル化

①から⑤までは、2017年~2021年までに取り組み、リリース済です。
⑥は2021年の夏頃から検討を開始して実装済となり、今後リリース予定となっています。
今回は「⑥kintoneアプリ活用による契約更新案内のデジタル化」についての詳細をご紹介します。

「契約更新案内」は、ストックビジネスの中で重要なポイントとなります。
検討の結果、契約種別によって、お客様への更新案内方法や必要な情報が異なるということがわかりました。

そこで、まずは管理している契約データを3パターンに分類しました。

【更新案内 3大方針】

① typeN:回答ないのなら、更新してしまおうストック契約
② typeH:案内することで、更新させてみせようストック契約
③ typeI:解約連絡、来るまで更新しようストック契約

次に、どのようにして実現していくのかという検討を行いました。

①お客様にどのように案内したらいいのだろう
→私たちの管理しているデータから、対象契約分を自動配信できないか?
②契約しているデータをどのようにお客様に表示するのか
→私たちの管理しているデータの一部を配信できないか?
③お客様の更新意志をどのように確認するのか
→私たちの管理しているデータに直接入力してもらえたらいいのに

契約データは全てkintoneにあります。これを使わない手はありません。
kintoneとAPI連携可能なkMailer/kViewer/フォームブリッジといったプラグインを活用することにしました。
この活用により、更新案内という業務にメリハリをつけることができます。

①自動配信により更新意志を確認する
②人間によるコンタクトによりアップセル・クロスセルにチャレンジする
③更新案内不要

ストックビジネスは、とにかくプロセスが多い案件種別となります。それゆえ、尽きることのない課題が発生します。また、蓄積されるデータも膨大なものとなります。
kintoneを活用することで、様々なシステムと繋がり、課題解決やデータ活用を実現することが可能となります。

 

まとめ

業務部門はヒューマンエラーが発生しやすい場所です。短時間で正確に、より多くの処理を行うことが求められています。忍耐強く、真面目にコツコツ仕事をする。その様な風潮がありました。しかし!
「人間だもの、やっぱり楽できたら嬉しいよね」という意見が業務改革の追い風となります。
「なんで、こんな事をやらないといけないの?」という疑問が業務改善のきっかけとなります。

大変な仕事はITツールにお任せしましょう。
ヒューマンエラーを撲滅して、楽をして褒められましょう。
皆さんも、自分の仕事を見直してみませんか?

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