「問い合わせが多すぎて手が回らない」、「同じ質問が何度もくる」。こうしたことを課題だと感じる総務部や人事部、情報システム部門が増えています。
これを読んで「当社もだ!」「私の部門もだ!」と思われた方もいらっしゃるかも知れません。従来、こうした問い合わせ対応は個人の知識や経験 に頼っていました。しかし、少子高齢化が進み、知識を蓄えた人材がどんどん職場を離れていく現代では、個人の力にだけ頼ることは無理があります。
本記事では、問い合わせ対応の課題やその解決方法、さらにはkintone(キントーン)を活用した効率化について、一緒に見ていきたいと思います。
問い合わせ管理、潜在的な課題とは - 一体何が問題なの?
問い合わせ対応は、企業や組織をスムーズに運営するために欠かせない重要な業務です。しかし、多くの部門では、問い合わせ対応に課題を抱えています。はじめに、どういった課題があるのか見てみましょう。
- 多様な問い合わせ経路
問い合わせは口頭や電話、メール、社内SNSなどさまざまな経路で寄せられます。複数の経路で問い合わせを受け付けた場合、同じ質問に対して何度も回答することになるため、効率が悪くなります。
- 適切な回答の提供が難しい
問い合わせの内容は多岐にわたり、専門的な知識が必要な場合もあります。しかし、担当者個人に知識が蓄えられている場合、その担当者が忙しいと不十分な回答を返してしまうことがあります。
- 情報共有の不足
問い合わせの内容や回答は、他の部門や(専門的な知識を持たない)他の社員とも共有されるべきです。しかし、こうした情報共有に適したツールがないため、十分に情報共有できていないことが多いです。
このような課題は、問い合わせ内容やその回答が適切に管理されていないことが原因です。次のセクションでは、kintoneを活用した問い合わせ管理のメリットについてご紹介します。
kintoneを利用した問い合わせ管理のメリット - 何が変わるの?
kintoneを活用することでどのように問い合わせ管理が変わるのか、具体的なポイントを見てみましょう。
- 効率的な問い合わせ受付
kintoneを使えば、問い合わせ管理アプリを簡単に作成できます。問い合わせをアプリで受け付ければ、口頭や電話、メール、社内SNSでの受け付けに比べて、より適切かつ効率的に問い合わせを受け付けることができます。
また、口頭や電話で問い合わせを受け付けている場合は、夜間や休日などで問い合わせ先の人員が不在の時間帯でも受け付け可能になります。これは問い合わせをする側の人にとっても、メリットがあります。
- 適切な回答の提供と対応時間の削減
kintoneは、問い合わせ内容とその回答を一元管理できます。問い合わせに対応する際は、過去の回答履歴やFAQを参照することで、適切な回答を返しやすくなります。
また、過去に同様の問い合わせがあった場合、個別のリサーチが不要になるため、結果として問合せ一件あたりの対応時間とコストが削減できます。問い合わせをする側にとっても、問い合わせに回答する側にとっても、適切な回答へ短い時間で辿りつけるのは大きなメリットです 。
- 情報共有と連携
kintoneはクラウドベースの情報共有プラットフォームであり、複数の拠点や部門で問い合わせ内容とその回答を共有できます。拠点や部門を超えた情報共有が円滑に行えるため、組織全体での問い合わせ対応の効率化や品質向上が図れます。
さらに、問い合わせをする側から見れば総務部や人事部、情報システム部門へ問い合わせをしなくても、過去の事例を参照して回答を入手することが可能になります。このようにkintoneを活用することで、過去のデータに基づく知識を共有しやすくなるため、問い合わせ対応の質の向上だけでなく、社内の満足度の向上にも寄与できます 。
- データ分析と改善
kintoneは蓄積されたデータを分析する機能も充実しています。問い合わせ履歴をもとに、その傾向を把握し、改善策を見つけることができます。例えば、同じ質問が頻繁に寄せられている場合、FAQを充実させたり、チャットボットなどの自動的に回答する仕組みを導入したりすることでさらに効率化が図れます。
kintoneを活用すれば問い合わせ管理の品質向上と効率化が実現できます。次のセクションでは、kintoneでの問い合わせ管理アプリの作成イメージをお伝えします。
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kintoneの操作方法 - 問い合わせ管理アプリを作成
kintoneを使って問い合わせ管理アプリを作成する手順を解説します。問い合わせ管理アプリは、問い合わせ対応のスタート地点となります。
- アプリの作成
1)kintoneにログインします。
2)「アプリを作成する」ボタンをクリックします。
3)kintoneアプリストアの画面で「はじめから作成」を選択します。
4)アプリの名前を入力します。
- フォームの作成
1)問い合わせ管理アプリに必要なフィールド(例:ステータス(対応状況)、問い合わせ種別、質問者、問い合わせ内容、回答期日、回答者、回答)を追加します。
2)今後の分析のために、QA対応の見積り時間や、実績時間といったフィールドを追加してもいいでしょう。
- アプリの公開
1)フォームの作成画面で、フォームを保存し、アプリを公開します。
問い合わせ管理アプリを作成し、そこに回答を記載すれば問い合わせ対応を効率化できます。また、問い合わせ履歴を公開・共有し、自己解決してもらうことも可能になります。
次のセクションでは、蓄積された問い合わせデータの活用方法について詳しく解説します。
まとめ - kintoneで始める問い合わせデータ分析 - 問題点把握と省力化の第一歩
問い合わせデータの分析は、改善策を検討する上で重要なステップです。kintoneで問い合わせデータの分析を始める方法を解説します。
- データの収集と整理
まずは問い合わせデータを収集しましょう。先程作成した問い合わせ管理アプリを通じて問い合わせを受け付け、データを蓄積します。問い合わせ内容や回答、対応者などの情報を整理し、kintoneに記録します。
- 問題点の特定
問い合わせデータを分析して、問題点を特定します。例えば、特定の質問が頻繁に寄せられている場合、それに対するFAQを充実させれば対応の効率化が図れます。また、回答に時間がかかっている問い合わせを特定し、改善策を考えることもできます。
- 自動化の導入
問い合わせデータの分析結果をもとに、チャットボットの導入や問い合わせ対応の優先度設定などを行いましょう。これにより、担当者の負担を軽減し、効率的な対応が可能となります。
- 定期的なレビューと改善
問い合わせデータの分析は一度だけでなく、定期的に行いましょう。問い合わせ内容や傾向は変化するため、定期的に最新のデータをもとに改善策を検討しましょう。
「DX推進」と言われるようになって久しいですが、「データ」はなんだかとっつきにくく、活用も進まないのが実情です。その点、問い合わせデータは溜めやすく、身近なデータであるため分析もしやすく、問題点の把握と省力化を始めるのに最適です。
本記事を読んだ後、「kintoneを使って問い合わせデータを溜めて、活用してみよう」と思っていただけると幸いです。
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