2024年10月03日 07:30
BIツールは社内だけで使うものだと思っていませんか?
Domoは2021年6月よりDomo Everywhereを発表しました。これにより、社内業務の中に自然にDomoが入り込むだけでなく、社外のパートナー企業や顧客とデータを共有しモダンBIをより多くの人と体験できるようになるといった、Domoの使い方の可能性が広がります。
この記事では、Domo Everywhereの特長と、通常のDomoと異なる点について詳しく紹介していきます。社外企業や顧客とデータ共有をご検討の方は、ぜひ参考にしてみてください。
Domo Everywhereとは、組織独自のアプリケーションやプラットフォーム内にDomoを埋め込み、データインサイトを共有できるようにしたサービスです。
DomoチーフビジネスオフィサーのJay Heglarによれば、Domo社は「従来の埋め込みアナリティクスコンテンツが存在していた“場所”を超え、外部に展開できるBIに進化させたい」という思いから、それまで別々に機能していたDomo Publish(社外とデータやアプリを共有する機能)とDomo Embed(Domo外のサイトにDomoのカードやダッシュボードを埋め込む機能)をDomo Everywhereへ統合しました。
Domo Everywhereでは、パブリッシャーインスタンス(データをサブスクライバーにプッシュするインスタンス)でページやカードを複製し、それらが専用のサブスクライバーインスタンス(パブリッシャーからデータを受け取るインスタンス)によって共有されます。
Domoのプラットフォームに組み込まれており、すべてのDomoの機能が利用可能です。さらにすべての公開ジョブ、コンテンツ、フィルター、サブスクライバーは管理者設定内で一元管理されるので、大規模展開に向いているのも特徴と言えるでしょう。
Domo Everywhereを使ってどのようなことが実現できるのかを見てみましょう。
たとえば物流業界では、冷蔵された状態で運ばれる生鮮食料品を適切な温度で運送する必要があります。その際に大事なのは、運送中の生鮮食品そのものの温度管理だけでなく、サプライチェーン全体に渡って最適な温度管理がされていなければなりません。
アメリカを拠点とする製造業のエマソン株式会社では、同社のコールドチェーン事業において、生鮮食品が輸送中に適切に温度管理がされているかをサプライチェーン全体で監視する仕組みを導入しています。これらを顧客にもリアルタイムで共有できるよう、Domo Everywhereを使って荷物追跡と同時に温度データも閲覧してもらうことができるようにしました。
Domo Everywhereのおかげで顧客との繋がり、構築がより強固になったことは言うまでもなく、冷蔵サプライチェーンデータを顧客へ展開したことで、これらの重要性を社会に浸透させることに成功し、今では冷蔵機器使用を拡大させ、製品プロバイダーから顧客のビジネスパートナーという新たな立ち位置構築へと繋げています。
事例詳細は以下をご覧ください。
参考)Domo "What if data could help keep perishable products cold?"(英語)
通常顧客は荷物追跡だけを行うことが一般的ですが、こうして自社が保有するローデータをリアルタイムで顧客へ公開することで、信頼感が醸成され、顧客から良い評判を獲得することにも大いに貢献するでしょう。
他にも地域のボランティア活動に貢献している企業が、Domo Everywhere上で活動状況とその効果を公開し、経営陣やパートナー企業、地域の小売店やボランティアメンバーへ共有して活用されています。
参考)Domo、新たなDomo Everywhere機能を導入
データを関係者へ公開することで、モチベーション効果やさらなるインサイトや改善点の発見に繋がり、関係者が一丸となって地域を盛り上げる仕組みをDomoが担えるといった点は、社会的にも非常にインパクトが大きい利用方法として挙げられます。
BIツール選び 製品比較ガイド
成功する導入のための10の比較ポイント
この章では、Domo Everywhereの特に優れた2つの点をご紹介します。
まず、Domo Everywhereの導入は特に広範に渡るデータと複雑化するITシステムを持つ企業に最適です。
Domo Everywhereの強みは、堅牢なセキュリティとアクセス制御にあり、外部ユーザーとのきめ細かなデータ共有を保証します。さらに、ユーザーエクスペリエンスとカスタマイズに重点を置いているため、既存のプラットフォーム内でのシームレスなデータや業務統合と企業ブランディングを同時に実現できます。
大抵は新しいツールを社内で導入すると、定着するまで数カ月かかります。しかしながらDomo Everywhereは既存システムやアプリ内のデータを用いるため、開発コストや導入スケジュールを大幅に縮小できます。
また、既存業務やユーザーエクスペリエンスを崩す心配がないため、ユーザーにとっての負担も非常に軽いことが利点と言えるでしょう。
Domo Everywhereを利用するための特別な価格は存在しません。2024年10月時点でのDomoの利用価格はスタンダード、エンタープライズ、ビジネスクリティカルの3つのプランで構成されています。いずれのプランでもDomo Everywhereを利用できます。
これらの価格にはクレジットと呼ばれる、Domo内で利用できる通貨のようなものが存在し、利用するデータ量などによりクレジットが消費されます。
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データドリブン経営への変革の道
「Domo Everywhereを使ってみたいけれど、全体の流れが分からない」という方のために、こちらの章では基本設定から利用開始までのフローをご紹介します。
Domo Everywhereの利用開始にあたり、まずはパブリッシャー組織とすべてのサブスクライバー組織の間の接続を確立します。
パブリッシャー組織のDomo管理者は、Domo Everywhere中央ハブからサブスクライバー組織へ接続設定をしていく必要があり、これをルーティングと呼びます。
ルーティング設定が無事にできると、Domo管理者によってパブリッシャー組織内に各サブスクライバー組織を作成し、さらにサブスクライバー組織の設定を行います。
サブスクライバー組織の設定が完了したら、所属させるユーザーをマッピングします。
*サブスクライバーインスタンスは別途担当者へリクエストが必要です。詳細は弊社までお問い合わせください。
Domoには大きく分けて以下2種類のエンベッド方法があります。
エンベッド方法 | 概要 | 設定方法 |
---|---|---|
パブリック | ウェブサイト、ブログ、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアプラットフォームにDomoのコンテンツを公開可能であり、URLを知るユーザーなら誰でもアクセス可能。 | 管理者が設定よりDomo Embedを有効化する。 |
プライベート | ウェブサイト、ポータル、アプリケーションにコンテンツの公開が可能。さらに公開先もユーザー、グループ、プラットフォーム単位などのオプション有り。 | 必要な場所にだけデータが表示されるよう、Domoの許可ドメインリストにエンベッドドメインを追加する。 |
Domo Everywhereを使用する際、パブリックエンベッドとユーザーベースのプライベートエンベッドのいずれでも、Domoから自動生成されるHTML文字列をコピーして、iFrameまたはJavaScript API経由で、ウェブサイトやブログなどの必要な場所に貼り付けます。この機能を利用することで、ビジネスデータの共有が簡単になり、インタラクティブなアクセスを実現します。
プライベートエンベッドの場合、コンテンツを公開する前に各サブスクライバーへ適切なデータをフィルターし、すべてのコンテンツを制御します。
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いかがでしたでしょうか。本記事では、Domo Everywhereの魅力と実際の利用における流れを見ました。
Domo Everywhereは、社内だけでなく社外パートナーや顧客へもリアルデータを届けることができるので、これまで以上に企業への信頼感の醸成とブランディングに役立てることができるようになります。
また、Domo Everywhereのもう一つ注目すべき点として、複雑な社内システムを持つ大企業にも既存業務やユーザーエクスペリエンスを乱すことなく素早く導入が可能なところが挙げられます。通常では新しいシステム導入には時間やコストがかかる他、ユーザーが慣れるまでにも相当の期間が必要ですが、既存システムやアプリに組み込むことができるため、導入までのスピードとコストを大幅に縮小できるのが大きなメリットと言えます。
NDIソリューションズでは日ごろから積極的にDomoを利用しており、実際にDomo Everywhereを使ってお客様やパートナー企業とやり取りをしております。
多業界のお客様との実績があり、弊社社員の豊富な知見を活かしたご提案が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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