技術伝承・技能伝承の事例 熟練者の映像解析をするAIを紹介

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技術伝承と技能伝承は似たような内容ですが、どのように違っていて、どちらが広義な意味で使われるのでしょうか? そして、技術伝承と技能伝承は企業にとって重要な取り組みですが、具体的な進め方や方法を知りたいと思っている方も多いでしょう。熟練技術者がよく口にするセリフがあります。

「見ればわかる」
「音が違う」
「感覚でわかる」

このような言葉の奥に秘める製造業のベテラン熟練工の技を、技術伝承と技能伝承につなげていく解決策や事例をご紹介します。

技術伝承と技能伝承の違い どちらが広い意味?

技術伝承と技能伝承という言葉がありますが、どのように違うのでしょうか? また、どちらが広い意味で使われるのでしょうか? 技術伝承と技能伝承の意味を整理してみます。

技術伝承とは?

技術伝承とは、組織が持つ知識・理論を体系化し、誰でも共有し再現できる形で引き継ぐ活動です。技術伝承を実現するためには方法やツール・システムを活用し、同じ結果を出せる状態にしておく必要があります。

技術は組織に属するものですので、企業は標準化を目指していきます。技術伝承はマニュアル化、数値化、図面化ができていることが前提です。例えば、3D CADやスマートファクトリー化されているケースです。

技能伝承とは?

技能伝承とは、熟練者の勘・コツ・経験則に関する「熟練の技」を引き継ぐ活動のことです。
技能は個人に属する特殊スキルですので、属人化されやすい特性を持っています。

技能伝承は、人から人へ直接教えるため、言葉や手段で共有したり、組織全体へ展開したりすることが難しいと言われています。例えば、熟練工の溶接技術やベテラン職人の加工技術のケースです。

すなわち、企業で標準化できる技術伝承が広い意味で使われ、技術伝承の中に職人技などの技能伝承が含まれると言えます。

【総括】
  • 技術伝承 > 技能伝承というイメージ
  • 技術伝承は標準化できるので、システム化や仕組化しやすい
  • 技能伝承は属人化されやすいので、引き継ぐことが難しい

技術移転という言葉もあります。技術移転とは、個人・企業・研究機関が保有している技術を別の個人や組織、海外の発展途上国へ移転(譲渡や普及)するプロセスのことです。

本記事では引き継ぐ難しさがある技能伝承を、企業にとって必要な技術伝承に変えていく方法を中心にご説明します。では、技術伝承・技能伝承はなぜ必要なのでしょうか?

技術伝承・技能伝承は企業にとってなぜ必要なの?

ではここからは、日本の製造業を中心に解説していきたいと思います。技術伝承・技能伝承は企業にとってなぜ必要なのでしょう?

大きな視点で考えれば、企業が顧客に選ばれ競合優位に立つためです。そして、技術伝承・技能伝承は製造業の持続的な成長を実現するための重要な経営戦略だからです。

もう少し細かな視点で問題点を整理していくと、ひとつの大きな課題があります。それは、団塊ジュニア世代の熟練者・ベテラン層が定年退職の時期を迎えていることです。

熟練者・ベテラン層の定年退職が、製造現場に与えている具体的な現象は、日本の製造業の強みである「インテグラル型技術の低下」と言われています。インテグラル型技術とは、部品連携や機械設備、そして人間が絶妙な調整をすることで、製品の品質を向上させる技術です。別名「擦り合わせ型」とも呼ばれます。

しかし、絶妙な調整役だった熟練者が技やノウハウを属人化したまま退職してしまうと、現場力とインテグラル型技術が低下していきます。つまり、「ものづくりのブラックボックス化」の現象が起きてしまいます。

このように熟練者・ベテラン層の定年退職から「インテグラル型技術の低下」と「ものづくりのブラックボックス化」の現象を起こさないために、製造業に技術伝承と技能伝承が必要なのです。では、熟練者の技やノウハウにはどのようなものがあるのでしょう?

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熟練の技の種類 製造業が困っていること

まずは製造業における熟練の技の種類を整理していきたいと思います。熟練技術者にはどのような職人技があるのでしょう?

熟練技術者は「感覚・音・振動・勘」で精巧なものづくりをしたり、異常値の判断をしたりします。熟練技術者がよく口にするセリフは以下の3つではないでしょうか。

「見ればわかる」
「音が違う」
「感覚でわかる」

このような「音・振動・感覚・勘」による熟練の技を持っています。熟練の技を活かすための種類を製造業の熟練作業別にご紹介していきます。

ものづくり)加工・製造作業

  • 切削加工 →旋盤、フライス等
  • 溶接   →TIG溶接、レーザー溶接等
  • 金型調整 →成形条件調整、微細研磨等
  • 表面処理・塗装 →塗膜調整、吹付塗装等

熟練者は刃具状態、切削音、熱変化強度、歪み、外観品質を見たり聞いたりして、ミクロン単位の感覚調整をします。

ものづくり)組立・配線作業

  • 精密組立 →半導体装置、医療機器等
  • はんだ付け →基板実装、精密電子機器等
  • 配線・ケーブル処理 →車載配線、航空機配線

熟練者は微細操作、異物防止、温度、接触時間、保守性、ノイズを見たり聞いたりして、ベテランの器用さで品質調整をします。

機械設備)保全・メンテナンス作業

  • 故障診断 →工場生産設備、発電設備等
  • 分解・復旧 →タービン、ポンプ等
  • インフラ点検 →電力設備

熟練者は音、匂い、波形を見たり聞いたり、原因の切り分けや復旧手順を考え、異常を特定し対応します。

このような熟練の技の種類がありました。製造業は熟練技術者が持つ「感覚・音・振動・勘」を次の世代に伝えたいと考えています。しかし、数多くの企業が技能伝承に頭を悩ませています。なぜなら、熟練技術者の技能伝承する作業が大変だからです。なぜ、技能伝承は難しいのでしょうか?

技能伝承が難しい理由

  • 異常や予兆察知を数値化しにくい
  • 力加減などは本人が無意識でやっているので、可視化できない
  • 判断するタイミングや条件がケースバイケースすぎる
  • 熟練者の手際のよい手順を本人が説明できない
  • 属人化された技やノウハウが文書化されていない

このような理由で技能伝承は難しく、製造業の担当者は困っています。何か良い解決策や事例はないのでしょうか? そこで、技能伝承を実現するための解決策と事例をご紹介していきます。

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技能伝承の解決策 3つの作業フェーズに分けてみよう

まず、技能伝承を実現するための解決策をご紹介いたします。製造業であれば、生産技術部門の方や設計・製造の教育担当の方が技能伝承の作業をされると思います。まず、技能伝承の作業フェーズを3つに分けることをおすすめします。

フェーズ1 何を継承すべきか特定する

多くの企業は「熟練の技を全部残そう!」として失敗するケースが多いです。まず「何を継承すべきか」を社内で議論し、特定していきましょう。熟練者の技術には形式知(言語化できるもの)と暗黙知(感覚・経験によるもの)の2種類があり、暗黙知の方がもちろん言語化が難しくなります。

熟練者にインタビューしたり、前述した熟練技の種類別にスキルマップを作ったりするのがよいでしょう。スキルマップとは「誰が」「どの技術を」「どのレベルで持っているか」を一覧表にする地図のようなものです。

スキルマップ作成により、「この技術は熟練者のAさんにしかない」という可視化ができます。まずは熟練者と担当者が協力して「伝承すべき技能を特定する作業」の実行が大切です。

フェーズ2 記録して動画やテキスト化

熟練者の作業を単なる手順書にするだけでは伝わりません。「なぜそうするか(判断やタイミングの根拠)」や「このケースはどう対処するか(ケースバイケース)」まで含めて、記録し言語化していきましょう。

特に動画活用は有効ですので、手の動き、力加減、音などを判断するポイントが伝わりやすくなります。

フェーズ3 教育・トレーニングや評価・フィードバック

動画マニュアルを作っただけでは技術は継承しません。「熟練者が横でやって見せて、一緒に作業してみる」、「引継ぎチームのメンバーが一人ひとりで実践してみて、熟練者がアドバイスする」という段階的な教育をしていきましょう。熟練者の退職日からさかのぼり、ペアリング教育の期間もしっかり確保しておくとスムーズです。

技術習得レベルを測る評価基準を熟練者と事前に作っておきましょう。そして、評価し、フィードバックを教育チームが実施していきます。

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音声と映像解析を活用した技能伝承 解決策と事例を紹介

技能伝承の3つのフェーズで記録して動画やテキスト化していくのが有効と説明しました。しかし、熟練者の作業を動画に残し、文字にするのは大変です。なぜなら、録画する際に熟練者の音声だけで熟練の技やノウハウを言語化できないからです。

熟練者の音声をテキスト化するAIサービスは数多く登場しています。しかし、熟練者が作業している映像に技術ノウハウのヒントがあり、映像から担当者が言語化していくのは相当な労力がかかります。

音声・動画編集だけでも情報量が多すぎて制作が大変なのに、熟練者の映像の動きから技術ノウハウを理解して、テキスト化することは難しいでしょう。これができれば、技能伝承はもっと簡単にできているはずです。

しかし、熟練者の作業の音声と映像を解析し、技術伝承に活用しやすくする方法があります。音声だけでなく、映像解析をして文字にすることができるAIツールがあるのです。

それはNDIソリューション株式会社が提供する「Video Questor」です。Video Questorは撮影された熟練者の作業の音声と映像をAIが解析を行い、テキスト化をします。

わかりやすくイメージしていただくために「実際に熟練者が作業している映像を解析しているVideo Questor」の事例をご用意しました。

図1
skilltransfer-vol-53_熟練者の板金加工

図1をご覧ください。これは熟練者が板金加工をしている動画で、動画で説明している音声と映像を解析して、文字にしている事例です。

ものづくりの加工・製造作業でご紹介した切削加工をしているイメージ映像です。動画内で説明している音声だけでなく、熟練者の映像の動きも解析して文字を作成・テキスト化しています。

音声から文字を作り、テキスト化するAIツールは数多くありますが、「映像を解析して文字を作り、テキスト化ができるAIツール」は珍しい製品だと言えます。Video Questorを使えば、熟練者の作業動画を、特別な編集や作り込みをしなくても引継ぎ動画として活用できます。

例えば、「加工のコツを教えてください」の質問に対し、Video Questorが動画の内容を理解します。そして、あとから会話形式で検索・質問できる仕組みとして、引継ぎ動画が作れるのです。

「映像・音声解析から文字を作るAI解析ツール Video Questor」をぜひ、詳しく見てみませんか?

まとめ

「技術伝承・技能伝承の事例 熟練者の映像解析をするAIを紹介」と題して、ご紹介してまいりました。技術伝承と技能伝承の違いや意味、熟練の技の種類がご理解いただけたと思います。

「技術伝承 > 技能伝承」と言え、個人の属人化されたノウハウを引き継ぐ活動が技能伝承であり、組織で標準化されたテクノロジーにしていくのが技術伝承でした。

技術伝承・技能伝承は製造業の成長のために必要な取り組みであり、製造業の担当者が困っているのは、音・振動・感覚などを判断する熟練者の「勘」を可視化することです。

【総括】
  • 伝承したい作業をスキルマップ一覧表にする
  • 熟練者の「勘・コツ・経験則」を映像化と言語化する
  • スマホを活用して、動画→共有→教育ができる仕組みをつくる

ただし、動画・音声編集は大変な制作作業になりますので、担当者の負荷は上がります。かつ、熟練者の映像の動きから技術ノウハウを理解して、テキスト化することは困難です。

そこで、「音声・映像解析から文字を作るAI解析ツール Video Questor」を活用してみてはいかがでしょうか? 熟練者の作業の音声と映像を解析して、文字と動画が完成すれば効率的であり、技能伝承から技術伝承へ進めていくことができます。

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公開日:2026年6月25日

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NDIソリューションズ株式会社 マーケティング部

この記事の著者 NDIソリューションズ株式会社 マーケティング部

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