社内外の問い合わせ対応を増員せずに効率化する方法|既存ナレッジを活かすヒント

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問い合わせ対応の効率化は、増員ではなく「件数を減らす」「1件あたりの時間を短くする」「対応の振り分けを最適化する」の3軸で考えると整理しやすくなります。ある調査(後述)では、65%以上の企業でマニュアルが十分に活用されていないと報告されており、FAQやマニュアルを整備しても問い合わせが減らないのは、情報の不在ではなく「辿り着けない設計」に原因があります。本記事では、社内ヘルプデスクと顧客サポートの両方に効く打ち手を整理し、増員以外で負荷を下げる構造的アプローチを解説します。

【この記事でわかること】
  • 問い合わせ対応の負荷を分解する3つの軸(件数・時間・振り分け)
  • FAQ・マニュアルを整備しても使われない構造的な原因と改善視点
  • 社内・社外の両方に効く、増員以外の効率化アプローチ

問い合わせ対応の負荷はなぜここまで膨らんでいるのか?

問い合わせ対応の負荷が増え続けている背景には、単なる件数の増加だけではない要因が重なっています。電話・メール・チャット・SNSとチャネルが増え続ける一方で、対応にあたる人員の確保は難しく、さらに顧客が求める対応スピードや品質の水準も年々上がっています。
こうした複合的な負荷は、大きく「社外(顧客・取引先)からの問い合わせ」と「社内(従業員)からの問い合わせ」の2系統に分かれます。それぞれ窓口となる部門も、影響を受ける指標も異なるため、まずは2つの系統の違いを整理しておきましょう。

社外からの問い合わせ|顧客満足度と解約率に直結する業務

社外からの問い合わせは、営業部門やカスタマーサポートが主に受ける業務です。製品の使い方、契約内容の確認、障害発生時の報告など、顧客の購買継続や解約判断に直結する内容が多くを占めます。
対応チャネルは電話・メール・チャット・Webフォームと多岐にわたり、近年ではSNS経由の問い合わせも増えています。チャネルが増えるほど情報は分散しやすく、対応履歴の管理コストも上がっていきます。
対応の遅さやオペレーターごとの回答品質のばらつきは、顧客満足度を直接損なう要因になりえます。解約理由のアンケートで「サポートの返答が遅い」「人によって言うことが違う」といった声が上がっている場合、問い合わせ対応の負荷は売上やLTVに影響する経営課題として捉える必要があります。

社内からの問い合わせ|本来業務を圧迫し続ける見えにくいコスト

社内の問い合わせは、情報システム部門・人事・総務・経理といったバックオフィスが主な受け手です。「PCの設定方法がわからない」「経費精算システムの操作を教えてほしい」「新しい勤怠ツールの入力ルールを確認したい」など、業務システムや社内ルールに関する質問が中心になります。
Fullstarの調査によれば、社内問い合わせの約6割は「基本的な使い方」、約3割は「よくあるシステムエラー」といった初歩的な内容で占められています。
参照元:Fullstar「問い合わせ対応を効率化する5つの方法」

こうした繰り返し発生する質問への対応は、月次のP/Lには直接現れにくく、コストとして可視化されづらい特性があります。しかし実際には、担当者がシステム保守や新規プロジェクトに充てるはずだった時間が日々削られており、中長期的に見ると企業全体の業務効率を静かに押し下げています。

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問い合わせ対応の負荷は、どの軸で分解すれば打ち手が見えるのか?

問い合わせ対応の負荷を改善しようとするとき、多くの現場では「件数を減らしたい」という課題認識から出発しがちです。もちろん件数削減は重要ですが、負荷の構造は「件数」だけでは説明しきれません。
負荷を分解するフレームとして有効なのは、「問い合わせ件数そのもの」「1件あたりの対応時間」「対応の振り分け」の3軸です。自社の問い合わせ対応において、どの軸にボトルネックがあるかを見極めることで、効果の高い打ち手が見えやすくなります。

軸1|問い合わせ件数そのものを減らす

件数削減にあたって代表的な打ち手としては、FAQ整備、マニュアル整備、チャットボット導入、UI改善(利用者が迷わない設計に変えること)などがあります。問い合わせが発生する前に利用者が自力で解決できる環境を整えることが基本的な方向性です。

件数を減らせればインパクトは大きい一方で、よくある落とし穴があります。FAQやマニュアルを作ったのに問い合わせが減らないというケースです。コンテンツが「存在するが使われていない」状態では、どれだけ整備しても効果は出ません。この問題については次章で詳しく掘り下げます。

軸2|1件あたりの対応時間を短くする

件数が同じでも、1件あたりの対応時間を短縮できれば、全体の負荷は下がります。対応時間の短縮につながる打ち手としては、回答テンプレートの整備、ナレッジの集約、対応支援AIの導入、対応履歴の一元管理などが挙げられます。
特に重要なのは、ベテラン担当者が頭の中に持っているノウハウや判断基準を、チーム全員が参照できる形にすることです。属人化した知識をナレッジとして共有できれば、経験の浅い担当者でも一定の品質で回答でき、回答までの時間も短縮しやすくなります。
また、対応履歴を一元管理していない場合、同じ顧客から以前届いた問い合わせ内容を別の担当者が把握できず、同じやりとりを繰り返すことがあります。履歴の集約は二度手間の防止にも直結します。

軸3|対応の振り分けを最適化する

3つ目の軸は、問い合わせを「誰がどの順番で対応するか」の設計です。IVR(自動音声応答)、チャネルの分散設計、チケットの自動振り分け、難度別の優先度設計などがこの軸に該当します。
たとえば、パスワードリセットのような定型的な問い合わせと、契約内容に関する個別判断が必要な問い合わせが同じ窓口に並んでいると、対応の優先順位が曖昧になり、全体の処理速度が落ちやすくなります。
AIが初期対応を行い、解決できない場合に有人対応へ切り替えるという設計も広がりつつあります。この場合、「どこまでをAIに任せ、どこから人が関与するか」の線引きが運用設計のポイントになります。線引きが曖昧だと、かえって利用者の不満を招くこともあるため、段階的に範囲を調整していくアプローチが現実的です。

なぜFAQやマニュアルを整備しても問い合わせは減らないのか?

前章の「軸1:件数削減」で触れた通り、FAQやマニュアルを整備したにもかかわらず、問い合わせ件数が期待通りに減らないというのは多くの企業で見られる課題です。

Fullstarの調査では、65%以上の企業でマニュアルが十分に活用されていない、または活用状況を把握できていないと報告されています。つまり問題の本質は、情報がないことではなく「情報はあるのに使われていない」ことにあります。
参照元:Fullstar「問い合わせ対応を効率化する5つの方法」

使われない原因は、検索性・粒度や形式・配置動線という3つの観点から整理できます。

検索しやすさの問題|キーワードが分からないと辿り着けない

FAQやマニュアルを整備していても、利用者がその情報に辿り着けなければ意味がありません。
利用者は多くの場合、「正しい用語」を知らない状態で情報を探します。たとえば、画面にエラーメッセージが表示されたとき、そのエラーの正式名称ではなく、「画面が動かなくなった」「変なメッセージが出た」という感覚的な言葉で検索しがちです。
しかしFAQの見出しがシステム用語やエラーコードで整理されていると、利用者の言葉とFAQの見出しが噛み合わず、該当する回答に辿り着けないまま問い合わせに流れてしまいます。
こうした課題に対応するには、キーワード一致型の検索だけでなく、自然文での検索や、同義語・表記揺れに対応した検索機能が求められます。近年では意味検索(セマンティック検索)を取り入れるケースも増えており、「利用者の語彙に合わせて情報を届ける」設計が重要になっています。

粒度と形式の問題|長文テキストでは読まれない

検索して該当ページに辿り着いたとしても、そこに書かれた内容が長文テキストだけで構成されていると、利用者は最後まで読まずに離脱する傾向があります。
特に操作手順のように「画面のどこをクリックするか」「どんな順番で進めるか」を伝えたい場面では、テキストだけでは伝わりにくく、結局問い合わせた方が早いという判断になりがちです。作業手順や機器の操作、表情やトーンが重要な接客対応など、テキストでは十分に伝えきれない情報も多いのではないでしょうか。
このような場合、動画・画像・図解など、伝えたい内容に適した形式を選ぶことで、利用者の理解度と自己解決率を引き上げやすくなります。

配置動線の問題|「問い合わせる直前」に届いていない

検索しやすく粒度も整っていたとしても、FAQページが独立したURLに置かれているだけでは、利用者が能動的にアクセスしない限り出会えません。「まずFAQを確認してから問い合わせよう」という行動を取る利用者は想像以上に少なく、多くは困った時点でそのまま問い合わせフォームや電話に向かいます。
自己解決率を高めるためには、利用者の動線上にコンテンツを配置することが有効です。たとえば、問い合わせフォームを開く直前の画面、製品UI内のヘルプパネル、サポートメールの文中にリンクを設置するなど、「利用者が探しに行かなくても自然と目に入る場所」に置くことで、自己解決につながる接点が増えます。
整備したコンテンツが実際に使われる状態を作るうえで、「探させない設計」は見落とされやすいものの重要度が高い改善ポイントです。

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既存ナレッジを「動画×AI」で再活用するという選択肢

ここまで、FAQやマニュアルが使われない原因を3つの観点から整理しました。検索しやすさ、粒度や形式、配置動線のいずれも改善の余地がありますが、中でも「形式」の観点から注目したいのが、既存の動画コンテンツをナレッジとして再活用するアプローチです。
多くの企業には、製品説明動画・操作デモ・社内研修・説明会の録画など、すでに作成された動画資産が存在しています。しかしこれらは「視聴するもの」として扱われていることがほとんどで、問い合わせ対応のナレッジとして活用されているケースは多くありません。
その背景には、動画が持つ「情報は豊富だが、欲しい情報を探しにくい」という特性があります。この課題を、生成AIによる動画解析技術が解消しつつあります。

なぜテキストFAQだけでは限界があるのか

テキストFAQやマニュアルは、文章で伝えられる情報を整理するには適しています。しかし、操作手順の細かい画面遷移、機械設備の動かし方、表情や声のトーンが重要な接客対応など、テキストでは十分に表現しきれない情報も多く存在します。
こうした情報は動画の方が伝達効率が高く、特にベテラン担当者が持つ暗黙知(「このタイミングでこう操作する」「こういう状態のときはこう判断する」といったコツや判断基準)を形式知化するうえで、動画は有効な手段です。
一方で、動画には視聴に時間がかかる、全体を通して見ないと欲しい箇所に辿り着けない、テキストのように検索できないといった弱点がありました。この検索しにくさが、動画を「ナレッジ資産」として活用しにくくしてきた主な理由です。

動画解析AIで動画の中身を検索することが可能になった

生成AIによる動画解析技術は、動画の音声・映像・字幕といった複数の情報源から内容を自動的に抽出し、構造化できるようになっています。これにより、動画の中身に対して自然文で質問し、回答を得るという使い方が実用段階に入りつつあります。
たとえば、「この研修動画の何分目で〇〇について説明しているか」とチャット形式で尋ねると、AIが該当箇所を特定して要約し、動画内の該当タイムコードへのリンクを返す、といった活用が可能です。
従来は「30分の動画を最初から再生して、該当箇所を探す」しかなかった動画コンテンツが、「必要な情報をピンポイントで引き出せるナレッジ」へと変わります。既存の動画資産を新たに撮り直す必要はなく、すでにある動画をそのまま活用できる点も実用性が高いと言えます。

動画ナレッジの主な活用シーン|社内・社外の両方で機能する

動画ナレッジの活用シーンは、社内と社外の両方にまたがります。
社内向けの場合、研修動画・説明会の録画・操作マニュアル動画を社員が自分で検索し、必要な情報を引き出せる環境を整えることで、情シスや人事への問い合わせ削減につなげられます。「マニュアルはあるが、どこを見ればいいかわからない」という状態を解消し、自己解決を促す仕組みとして機能します。
社外向けの場合は、製品説明動画・操作デモ・FAQ動画を顧客に共有し、顧客自身が知りたい情報を動画から検索できる環境を用意することで、カスタマーサポートへの問い合わせ削減が期待できます。「動画は見たけど、自分が困っている箇所がどこに該当するかわからなかった」という顧客の声に対して、ピンポイントで回答が返る仕組みが効果的です。
同じ動画資産を社内・社外の両方で再活用できる横断性を持つ点は、運用コストを抑えるうえでも有利です。それぞれの用途に合わせて別々のツールやコンテンツを用意する必要がなく、一元的にナレッジ基盤を構築できます。

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動画ナレッジを問い合わせ対応に活かす「Video Questor」のご紹介

ここまで整理してきた「件数を減らす」「1件あたりの時間を短くする」「社内外で同じ仕組みを使う」という3つの観点を、既存の動画資産を起点に実現する選択肢の一つが、弊社の動画解析AIサービス「Video Questor」です。
Video Questorは、動画をアップロードするだけでAIが内容を解析し、チャット形式での質問に回答する生成AI×動画解析サービスです。既存の動画資産を「視聴するだけのコンテンツ」から「対話できるナレッジ」へ変えることで、問い合わせ対応の負荷軽減とナレッジ活用の両立を支援します。

動画をアップロードするだけで「検索できるナレッジ」に変わる

Video Questorでは、動画をアップロードすると、AIが音声・字幕・映像情報を自動で解析し、内容を構造化します。ユーザーはチャット形式で「〇〇について教えて」と入力するだけで、AIが該当箇所を要約して回答します。また、必要に応じて動画内の該当箇所へアクセスしやすいよう、タイムコードリンクを活用することも可能です。
研修動画や説明会の録画、操作デモ動画など、すでに社内に蓄積されている動画をそのままアップロードするだけで利用を開始できるため、新しいコンテンツを一から作り直す手間はかかりません。
参照元:
Video Questor(NDIソリューションズ株式会社)

限定公開チャットURLの発行で、社内・社外の両方に展開できる

Video Questorでは、外部公開用の限定公開チャットURLを発行できます。発行したURLを顧客・取引先・販売代理店などに共有することで、アカウント登録やログインなしで動画ナレッジを利用してもらえます。シンプルな画面からすぐに動画の中身を検索でき、社内外を問わず手軽にナレッジを届けられます。
この仕組みを活用することで、社内ヘルプデスク向けと顧客サポート向けの両方で、同じ動画資産を再活用する運用が可能になります。用途ごとにツールを分ける必要がなく、運用負荷を抑えながら社内外の問い合わせ対応を同時に効率化できます。

セキュリティと運用の前提

企業が社内ナレッジをクラウド上で扱ううえで気になるセキュリティ面については、以下の対応を行っています。
アプリケーションは国内リージョン(Amazon Web Services)に配置しており、第三者機関による脆弱性診断も実施しています。また、入出力データは各生成AIサービスのポリシーにより、AIの再学習には利用されません。
導入前に操作感を確認したい場合は、デモ動画でサービスの概要をご覧いただけます。ご不明な点があれば、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。
◆ Video Questorのデモ動画申込はこちら
◆お問い合わせは こちら

まとめ|問い合わせ対応の効率化は「件数・時間・振り分け」と「動線設計」で考えよう

問い合わせ対応の負荷は、件数だけでなく「1件あたりの対応時間」「振り分けの最適化」を含めた3つの軸で分解すると、自社にとってのボトルネックが見えやすくなります。
FAQやマニュアルを整備しても問い合わせが減らない場合、コンテンツがないことよりも「利用者が辿り着けない設計」に原因があるケースが少なくありません。検索しやすさ・粒度や形式・配置動線の3つの観点を見直すことで、既存ナレッジの活用率を変えられる余地があります。
また、テキストでは伝えきれない情報を扱ううえでは、動画コンテンツをナレッジとして再活用する選択肢も広がっています。社内・社外を問わず、すでにある動画資産を活かすことで、新たなコンテンツ制作の手間を抑えながら自己解決を促す仕組みを構築しやすくなります。
自社にとって何から始めるかは、現在の問い合わせ傾向と手元にあるコンテンツ資産を棚卸しするところから検討してみてください。

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公開日:2026年7月7日

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NDIソリューションズ株式会社 マーケティング部

この記事の著者 NDIソリューションズ株式会社 マーケティング部

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