2023年01月10日 19:06
多くの企業様でAIチャットボットを活用することによって、これまで人が行っていた問い合わせ対応を代行する動きが活発になっています。AIチャットボットは365日24時間人間の代わりに対応が可能なため、業務負担の軽減やコストカットを実現できます。
では、社内で日常的に行われている「申請業務」ではどうでしょうか?例えば、出張申請などの提出と承認に関わる業務です。これらはAIチャットボットでどこまで対応可能なのか、疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事ではAIチャットボットの導入事例をもとに申請・承認に関連する業務改善についてポイントをお伝えします。今まで人が行ってきた社内対応で発生していた課題と、AIチャットボットを導入することのメリット、そしてAIチャットボットを利用した申請業務のプロセスをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
現在新しい働き方としてテレワークが浸透してきています。いまやテレワークは一般的な働き方となっていますが、今回のテーマである「申請業務」に与える影響は案外大きいのです。申請者や承認者のうち「一人でも」テレワークを行っている場合には、紙での申請や承認業務は手間と時間が掛かり過ぎるものになってしまいます。
そこで今回の記事ではテレワーク環境下での申請・承認業務を事例を参考にして、AIチャットボット活用のメリットを考えていきます。
テレワーク環境で申請・承認業務をスムーズに行うにはワークフローシステムの導入が常套手段となります。しかし、それだけではなかなか解決できません。申請や承認の際には提出書類や手続きについての問い合わせもつきものだからです。申請を行う際、申請の前にちょっとした質問を担当者にしたいというシチュエーションも多いと思います。そんな場合も以前はオフィスにいる担当者のデスクに直接向かい、聞くことができたためすぐに解決できていました。しかし、テレワークの場合はいかがでしょうか。直接デスクにいくのではなく、メール・電話・チャット等で質問することになります。すぐ回答が返ってくることもありますが、リアルに対面で話をするよりは後回しにされたり、気づかれなかったりということもありがちです。そのため、簡単な内容なのに即座に対応してもらえないという場合も多く、解決に時間がかかることが増え、手間がかかったりします。また業務担当者からみても「日常業務で『問い合わせ対応』が増えた。」「問い合わせ対応で通常業務の手が止まってしまう。」という、両者において仕事が思うように進まない結果となっているケースもあるようです。
申請の前段階の問い合わせだけでこのような状態なのですから、更に人の手による申請作業に加え差し戻しと承認作業が加わると業務の負荷がどれだけ高いか想像に難くないと思います。
テレワーク環境での申請業務の前に、まず問い合わせ対応について課題を解消する必要があるのです。
AIチャットボットを導入しAIが問い合わせ業務を代行することで「質問をする側」「質問を回答する業務担当者」双方にメリットが生まれます。それでは順番に解説します。
「質問をする側」のメリット
・いつでも質問ができる
オフィスで働いている場合でも、担当者が離席している、会議中である、来客対応中である等の理由で待たなければならないということは日常的にあります。AIチャットボットはオフィスで出社して担当者に聞く時よりも柔軟に、いつでも気軽に問い合わせを行うことができます。AIチャットボットは365日24時間いつでも人間の代わりに問い合わせの対応をします。
・すぐに答えを得られる
よくある質問(FAQ)に対する回答をすぐに得られるので待ち時間なしで次の作業に移行できます。これまでは業務担当者につながるまでの時間や回答を得るまでの待ち時間がどうしても発生していました。AIチャットボットならそんな待ち時間が要らないので、本当に必要なタイミングを逃さずに情報を取得できます。
・得られる回答の平準化
これは「質問を回答する業務担当者」側で後述する「属人化」に関する点と重複する部分でもあります。業務担当者に専門的な質問をするときは、「その質問はあの人しか分からない」という場合や、または同じ質問でも担当者によって知識量や説明の仕方が違い、混乱してしまう場合があります。AIチャットボットに十分な知識と回答を構築させることによって、常に一番詳しいひとの最適な答えを得ることができるのです。
「質問を回答する業務担当者」のメリット
・今まで時間を取られていた「問い合わせ対応」時間の大幅削減
AIチャットボットが言葉の表現の揺らぎや、多少異なる言い回しも対応してくれるので手間が削減できるのは当然なのですが、これまで業務で思わず時間がかかっていた手間も削減できます。
例えば、異なる人から同じ質問がきて都度返していた、いわゆる「よくある質問(FAQ)」に対してAIが質問を読み解き回答してくれます。またメール・電話・チャットの返信待ちで手が止まっていた時間もAIチャットボットが代行することで削減できます。
・脱「属人化」
業務担当者が質問に答えていると担当者個人の能力に依存しがちです。「この質問はあの人にしか分からない」「答えてくれる担当者によって分かりやすさが異なる」ということを防ぐために研修や引継ぎに時間と手間を費やしてきました。AIチャットボットを導入することで回答のムラを防ぎます。
・蓄積されたデータの分析や活用
AIチャットボットが問い合わせに対応する中で蓄積されたデータが業務改善に役立ちます。どのような質問が多いか、どの対応に時間がかかっているか、どの部分に業務のボトルネックがあるのかをデータを基に分析し、社内向けサービスの品質向上につなげましょう。
AIチャットボット導入で問い合わせ業務の効率化が期待されるわけですが、その効果を最大限に引き出すためには適切な運用が不可欠です。利用者からのフィードバックをもとにした改善を実施し、AIチャットボットの利用促進につなげてください。運用に関するリソースの確保が難しければ、外部のサポートを利用するという方法もありますので、上手に活用いただきたいと思います。
AIチャットボットを利用することでテレワーク環境での問合せ対応の課題が解消できることが分かりました。しかし、問合せに回答するだけでは申請・承認業務の効率化には十分ではありません。
問合せに回答した後に次の申請・承認に必要な手順へと適切に案内してあげることができれば、さらに作業者は効率よく仕事を進めていくことができます。
「引っ越しをしたのですが必要な手続きを教えて下さい」といった質問に対してAIチャットボットが回答した後に、加えて「通勤経路が変わる場合はこちらの申請フォームに記載して提出してください」といったナビゲートをAIチャットボットが自動で行ってくれれば、利用者も問合せ対応者もかなり手間が省けるはずです。その際はチャット画面上から利用システムへスムーズに移動できることも大切で、それもAIチャットボットが対応しなくてはなりません。
つまりAIチャットボットには問合せ回答の機能だけでなく、利用者と必要な業務システムとのつながりを提供する機能が必要なのだと言えます。今後は真の業務効率化のためにAIアシスタント(AIチャットボット)には外部システム連携機能が必須となってくると考えられます。
AIチャットボットによる業務効率化は問い合わせ対応に留まらず、様々なシステムと組み合わせることでさらなる利便性を発揮します。ワークフローや業務システムとの連携を実現して、より効果的に活用してください。
AIチャットボットの導入事例を通じて、申請業務の改善ポイントに焦点を当てましたが、いかがだったでしょうか。
テレワークの浸透によって生産性が向上し、より働きやすい環境で働くことができる反面、業務担当者との対面のやりとりがないことにより「質問する側」「質問に答える業務担当者」双方に手間が生じています。しかしAIチャットボットというツールを導入することにより問い合わせ対応だけでなく、申請・承認の業務効率化への貢献が期待できます。また、AIチャットボットによる業務効率化はワークフローや業務システムとの連携を通じて、さらに効果を引き出すことが可能になります。
当記事が問い合わせ業務に困っている、またはAIチャットボットを利用した申請・承認のワークフローの構築にお困りの皆様へお役に立てましたら幸いです。
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