総務の役割とは?DXのために意識すべきこと

2022年07月13日 19:00

昨今、DXに取り組まれる企業様が増えており、特に「働き方改革」推進の一環として総務部門のDXが注目を集めています。しかしながら、働き方改革という言葉だけが先行してしまっているケースも散見しています。そこで本記事では総務DXの本質的な役割でもある生産性向上・業務効率化を実現するためには、「どのようなことに目を向けて、そしてどのように実行していくべきなのか?」をお伝えしたいと思います。皆様がDXをご推進されていく中、総務の役割を改めて認識する一助となれば幸いです。

 

 

総務の役割とは?DXの取り組みでまず目を向けるべき場所

昨今、DX(デジタルトランスフォーメーション)が様々な企業で注目されるようになり、総務部門のDXにお取組みをされている企業も増加傾向にあります。そのような中、最近いろいろな企業様より下記の質問を頂きます。

「DXにおいて、生産性向上・業務効率向上のために何から取り掛かればいいのか?」

もちろん、これについては効果が出るやり方は企業様によって異なりますし、「コレをやれば生産性が上がります!」という絶対的な正解なんて存在しません。当たり前のことではありますが、状況や課題感に応じてやるべきことは異なります。

ただ非常に大切な視点があります。
それは「きちんと現場を見る・社員の声を聞く」ということです。どうでしょうか?皆様は、貴社社員の声をきちんと聞けていまでしょうか?「いやいや、そんなの当たり前ですよ!」と思われた方、それは表面的な部分だけでそう思われていませんか?現場社員の方々が、日々、どのような業務に取り組まれていて、その中で、本当に困っていることを掴んでいらっしゃいますか?

特に総務部門は、自社の業務や社員様の働き方を俯瞰して見ることができる立場にあると思います。そのような部門の方が、まずはしっかりと現場で何が起こっているのか?について目を向けることが大事なのです。

 

DXに取り組む前に、現場社員の本音を聞いていますか?

前述しました通り、まずは現場をきちんと見ることが大事とお伝えしました。それにより、いろんな要望や課題が見えてくるかと思います。(ちなみに…、要望や課題の無い組織なんて絶対に存在しません。)
加えて、大切なことは、総務部門からの視点だけでなく、現場で実際に業務にお取組みになっていらっしゃる社員の方々からも本音を聞くことです。

例えば、よく伺う声としては、ペーパーレス化に関する内容です。
テレワークにも関わらず、

  • 稟議申請書類提出のために、出社しないといけない。
  • 交通費精算のため、押印した書類を提出するために出社しないといけない

などの声があります。
上記内容はほんの一例で、いろいろな場面で「もっとこうなれば業務効率が上がるのになぁ・・・」ともどかしさを感じている社員の方がいらっしゃるかもしれません。

皆様の企業ではいかがでしょうか?
つまり、社内のDXにおいて、本当に解決すべき・実践すべき答えは、「自社社員が持っている」ということです。それをきちんと汲み取ることのないDXが先行してしまっていたら、それは本末転倒になってしまいます。

現場社員の本音を聞く代表的な方法として、アンケートを実施することが挙げられます。
弊社も2017年より社内DXに取り組んでまいりました。今では、全社員のおよそ99%がテレワークで業務に取り組んでおります。そこでテレワークへ取り組むにあたり、都度、社員へのアンケートを実施し、現場で働く者が「何に困っているのか?」「より効率的に働くためにはどのような施策を考えた方が良いか?」について、向き合いながら社内DXに取り組んでまいりました。

2020年4月、新型コロナウイルスの影響により、緊急事態宣言が発令された際、弊社はいち早く全社員在宅勤務としました。しかし、いきなり全社員が在宅勤務へスムーズに移行できたわけではありませんでした。約3%の社員が出社しなければならない状況だったのです。

そこで、弊社は、出社する際に必ず提出を義務付けております「出社申請書」の記載項目内にある、「出社理由」に記載されている内容について、1件ずつ確認を行いました。そこで、「なぜ出社しないといけないのか?それは在宅勤務で対応できないのか?」について真剣に向き合いました。また「もし在宅勤務で対応できないのであれば、在宅勤務で対応できるようにITツールを導入・活用してうまく運用できる仕組みを作っていこう」ということにも取り組みました。

その結果、今ではほぼ100%の社員がテレワークで業務に取り組めるようになったのです。
つまり、これはきちんと現場の声に耳を傾けて、実行した結果(成果)だと弊社は考えております。

だからこそ、ここで改めて皆様に問いたいと思います。
「現場社員様の本音を聞いていますか?」

 

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総務の役割は、社員の声を受け止める受付窓口である。

社員にとっての本音を伝えることができる部門は、総務部門であることが多いかと思います。だからこそ、総務部門が率先して社員の声を集めていくべきだと弊社は考えております。

当たり前ではありますが、いきなり社内のDXを推進しようとしても、上手くいかない可能性が高いです。大切なのは、DX推進の前に各部門における業務の棚卸しを行うことだと弊社は考えております。自社の現状や要望・課題といった社員の声を把握した上で、何から取り掛かるべきなのか?という優先順位について社内で合意形成する必要もあります。

まずはDXにより業務効率化や生産性向上を目指したい業務を洗い出しましょう。事前に業務の棚卸しを行えば、もしITツール導入を検討していたとしても、自社の現状にマッチした最適なツールを導入しやすくなります。結果、総務部門のDX推進もよりスムーズに進められるかと思います。

いろんな社員からの声が集まるので、一筋縄ではいかない部分があるかもしれません。ただ総務部門がそのような受付窓口になることにより、社内DXの加速化に一役買うことになるのではないかと弊社は考えております。

 

まとめ 社内DXにおけるPDCAサイクルの重要性

ここまで現場社員の生産性向上・業務効率向上のためのDXを推進する際に、ポイントとなる総務の役割についてお伝えしてまいりました。
最後になりますが、「DXの取り組みに終わりはない」ということも付け加えてお伝えさせていただきます。なぜなら、どんな取り組みでも実際に取り組んでみると多かれ少なかれ修正点が発生しますし、時間の経過と共に取り組むべき内容は変化していくからです。弊社も実際にトライアンドエラーを繰り返しながら、社内DXを推進しております。

大切なのは、PDCAサイクルを回すことです。実際に実施してみて、上手くいった取り組み・上手くいかなかった取り組み両側面をきちんと振り返り、そしてそこから次に繋げていくことを繰り返すことで貴社なりの正解が見えてくるかと思います。

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