総務・人事部門のDXは目標設定がカギ!設定例をご紹介

2022年05月10日 07:30

リモートワークや在宅勤務が急速に普及するなど、社会環境の変化によってDX(デジタル・トランスフォーメーション)の必要性が年々高まっています。
総務・人事部門においても、業務の自動化や効率化は企業の重要課題のひとつです。
本記事では総務・人事部門のDXにおける「目的」を明確化し、DX推進に「目標設定」が必要な理由を解説していきます。総務・人事部門のDXは目標設定がカギです。「目的」と「目標」を整理してみましょう。

 

 

総務・人事部門のDXにおける目標設定。まずは目的を確認!

まず、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の定義についておさらいしていきたいと思います。経済産業省では
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
と定義していますが、少しわかりにくくありませんか?そこで我々はDXの目的を以下のように解釈しました。

DXの目的=「変化に俊敏に対応できる 企業文化や体質への変革」

すなわち、企業の抱える問題、日々新たに発生する問題への迅速な解決策としてデジタル技術を活用していく企業風土が大事なのです。そして、企業風土を実現するための環境整備がとても重要であり、DXの目的となるわけです。

では総務・人事部門におけるDXの目的とは何でしょうか?

実際の総務・人事部門の現場をみると、アナログでかつ非常に手間のかかる業務が多く残っているのが実情です。そんな総務・人事部門の業務をITやデジタル技術を活用することで効率化を図り、本来やらなければならない業務に時間をシフトしていくべきです。そしてよりスマートに総務・人事部門の業務を変革することができれば、次のような効果が期待できるのではないでしょうか。

【総務・人事部門のDXに期待できる効果
  • より良い人材の確保
  • 人材育成プランの策定
  • 社員が働きやすい労働環境の提供
  • 社員満足度の向上
  • 人事制度の最適化

すなわち、ルーチン化した業務を行う従来の総務・人事部門ではなく、企業の成長を継続的に支えていく戦略的な総務・人事部門へと変革するために、DXは必要不可欠なのです。

 

総務・人事部門のDXはなぜ進まないのか?

総務・人事部門におけるDXの目的が明確になったところで、「よし、さっそく総務・人事部門のDXを推進していこう!」といきたいのですが、実際には思うように進んでいない企業が多いのも事実です。
なぜ、総務・人事部門のDXは進まないのでしょうか?

「日々の業務に追われ、DX推進を検討する時間がない」「何からやっていいのかわからない」「経営層の理解が得られない」という声をよく聞きますが、それはあくまで表面的な問題です。より具体的な目標設定ができていないということが問題の本質ではないでしょうか。目的を明確にしたあとには、あわせて具体的な目標設定をすることが総務部門のDXを推進するカギとなるのです。

 

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総務・人事部門における目標の設定例をご紹介

総務・人事部門におけるDXの目標は様々な業務シーンで設定が可能です。本記事では総務・人事部門の「社内問合せの自動化」における目標設定についてご紹介します。

総務・人事部門では、各種届出や社内申請など社内の問合せが集中しがちです。大企業においては抱える従業員数も多いため、毎日かなりの数の問合せが発生します。一方、中小企業においては問合せ対応の窓口を少人数でサポートしないといけないため、対応の遅延が発生することで社員満足度の低下をまねくことも予想されます。

次に、「問合せを受ける側」と「問合せをする側」の実際の声を見ていきましょう。

【問合せを受ける側の声】
「社内からの問合せが多く、やるべき業務が進まない!」
「同じ問合せばかりで非効率・・・」
「少人数で対応しているので、どうしても対応の遅れがでてしまう」

【問合せする側の声】
「前にも聞いたことがあったけど忘れた・・・また同じこと聞くのも気が引ける」
「この届出のマニュアルどこにあったかな・・・人事総務に聞いたほうが早いけど今忙しくないだろうか」
「急ぎで聞きたいことがあるけど定時を過ぎていてつながらない」

このように社内の問合せについては、「問合せを受ける側」「問合せをする側」双方に抱える悩みがあることがわかります。よって目標設定については、定量的なKPI(指標)を決めることに加えて、双方にメリットのある定性的効果を中長期的な視点で可視化することが重要です。

目標設定例)

【定量的KPI 「社内問合せ件数 50%削減」】

【定性効果】

  • 省力化と時短→(担当者の省力化と従業員の問合せ時間を短縮)
  • サービス時間の拡大→(夜間休日問わず従業員はいつでもすぐに回答を得ることが可能)
  • 回答品質の均等化→(対応者ごとの回答のバラツキをなくす)

「問合せを受ける側」だけのメリットではなく、「問合せをする側」にも様々なメリットがあります。双方のメリットに目を向けて、導入後の定性効果を中長期的な観点から目標設定することが、総務部門のDXを成功させる秘訣となるのです。

 

まとめ

総務・人事部門とDXってあまりイメージできないと思うかもしれませんが、むしろその逆です。全社員と密接にかかわりのある総務・人事部門こそ、DX推進のリーダーとなるべき存在なのです。テレワークや在宅勤務の急速な普及により、企業の柔軟な働き方への取り組み姿勢は採用活動においても十分な効果を発揮することが期待できます。DX推進の取り組みは今や企業を選択するステータスのひとつになっています。社会環境はDX推進にまさに追い風です。皆さんも総務・人事部門のDX、はじめませんか?

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