人事がペーパーレス化する利点と将来性とは

2022年05月31日 07:30

DX(デジタル・トランスフォーメーション)実現に向けてリモートワークの推進が活発になり、環境問題への注目によりSDGsの考え方が浸透した現在では、再度ペーパーレス化が注目を集めています。クラウドサービスの普及もあり、導入への敷居が低くなり実装を進めている企業も増加しております。また、「電子帳簿保存法」の要件改正により文書のペーパーレス化が大幅に緩和することになり追い風の状態になっています。
今後の法改正による社会情勢の変化への対応性も踏まえて、ペーパーレス化のメリットとともに、人事部門において導入する際のポイントをご紹介します。

 

 

人事のペーパーレス化の進め方

まず、社内のペーパーレス化を効率的に進めるためにはいくつかの準備が必要となります。これは人事部門についても例外ではありませんので、ポイントをしっかり押さえておきましょう。

1. 業務の変化に対する社員の理解を得る
ペーパーレス化する際に最も重要なポイントは業務の変化に対する社員の理解を得ることです。導入の作業を進める際にも事前に理解を得ることによって、ペーパーレス化で必要な情報の共有をしながら進められます。また実際の利用開始の際にもメリットと重要性を理解してもらったうえで利用していただくほうがよいでしょう。なぜなら、業務の変更が伴った際にもデメリットよりメリットが大きい点を理解してもらえるためです。

2. ペーパーレス化対象の書類を選択し順番を決める
ペーパーレス化を進めたとしても社内全ての書類を一度に実施するのは難しいと考えられます。そのため書類の使用頻度や重要性、可・不可を考慮してペーパーレス化を進めていく必要があります。使用頻度が高く、重要な書類を優先することにより、早い段階で多くの社員に触ってもらえる機会を作れます。その後についても改善点や運用上での注意点を早期に発見でき、さらなる推進を図れます。

3. 現状の書類の状況を把握する
社内の申請書類に対して実施する場合はワークフローを明確にする必要があります。社内の保管資料に対して実施する場合は現状の保管場所や要望などを現場からくみ取ってあげましょう。把握するためには各部署や担当者ごとに現状の調査や報告などの作業を依頼する対応が発生します。その際に理解を得ることができていれば効率的に行うことができます。

 

人事がペーパーレス化するメリット

では、そもそも紙媒体の書類をペーパーレス化するメリットとは何でしょう?いくつか代表的なものを紹介いたします。

1. 業務の効率化
ペーパーレス化のメリットとしては業務の効率化があげられます。申請書類に限った場合でも承認者間での移動にかかる時間や追記事項の記入、出張時の承認、承認状況の把握など申請の度に発生する個々の作業時間の短縮が図れます。一つ一つの所要時間は短くても合計時間では大幅な業務の効率化を図れます。

2. 印刷代や紙代、保管費用の削減
資料の印刷時の紙やインク代、資料の破棄時の手間・費用についてもペーパーレス化を導入することにより費用を大幅に削減できます。保管資料に関してもファイリングやファイル自体の保管場所、紙の資料の劣化を防ぐための処置の必要が無く、保管にかかる費用を削減することができます。

3. 資料の検索の容易化
ペーパーレス化に伴い資料をクラウド環境やサーバー上で保管することにより、資料探しにかかる時間が削減できます。紙の資料を探す場合は保管ルールの明確化や特定の人物しか資料の保管場所を把握していない状況が発生しますが、キーワードを入力し検索することにより目当ての資料が見つけられます。

4. 社外からの書類閲覧による紛失・漏洩のリスク低減
ペーパーレス化により書類自体を印刷し、社外に持ち出す書類を減少させられます。よって社外からクラウドサービスにアクセスし必要な書類を確認できます。また書類自体は電子データとして保管されているため、書類の紛失を防ぐことが可能となります。アクセス権限を設定できるため社員内でも利用するメンバーのみが閲覧可能な状態にできます。そうすることで紙での保管よりも高いセキュリティでの運用が可能になります。

 

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人事がペーパーレスを導入する利点と将来性

そして、人事がペーパーレスを導入する際の利点として忘れてはならないのが、今後の運用変更や法改正に対する対応の柔軟性です。
例えば、紙での書類のやり取りの場合は、運用変更以前から社内全体への通知を行い、変更後は変更点が反映された運用ができているか?の確認の手間がかかります。ペーパーレス化による電子化によって、一括で変更が可能となり変更前の運用ができなくなるため、確認の手間が大幅に削減できます。

また今後、労働基準法や電子帳簿保存法の法改正が発生した際に、迅速に対応できる利点もあります。2022年1月の電子帳簿保存法の改正により電子データの書類は電子データのまま保存する必要があります。ペーパーレス化が進めば大きな運用上の変化は発生しません。また法改正により社員の勤務状況などの提示が求められた際も、電子上でのデータ整形や運用の変更のみで対応可能です。

 

まとめ

人事部門におけるペーパーレス化の利点と将来性とは、テレワークやサテライトオフィスなどの多様な働き方と法改正への柔軟な対応が可能な点と言えるでしょう。またクラウドサービス環境の整備、政府からの補助金の交付など様々な要因でペーパーレス化の敷居が低くなります。そして導入しやすい状況ができつつあり、今後さらなる拡充が見込める分野となっているのです。

企業におけるイメージアップや紙での保管や業務時間など、多様な面で比較しての大幅なコストカットが実現できます。書類業務や必要な資料の検索における業務の効率化などペーパーレス化によるメリットも多々あります。今後も利便性の改善や法改正によるメリットの増加が見込める分野となっております。できる範囲からペーパーレス化を目指してみてはいかがでしょうか。

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