ChatGPT活用事例とビジネス活用のポイント

2024年07月09日 07:30

ChatGPTの利用について、ビジネスでの具体的な活用方法や事例を紹介し、効率化や生産性向上のポイントを解説します。本記事を通じて、あなたのビジネスにChatGPTをどのように活用できるかを具体的にお伝えします。

 

 

ChatGPTとは?

ChatGPTは、OpenAIが開発した自然言語処理モデルで、生成AIの一種です。人間のように文脈を理解し、自然な応答を生成することができます。ChatGPTは、AI初心者にも扱いやすく、文章生成、自動応答、トレンド分析、アイデアの創出、プログラミング、品質管理、市場調査など、幅広いタスクに応用が可能です。

近年、技術革新や業務のデジタル化により、企業は競争力を維持するために新たな技術の導入を積極的に検討しています。特にChatGPTに代表される生成AIの導入は単なるツールの枠にとどまらず、企業の経営戦略や顧客対応の革新を促進する重要な要素として期待されています。

ChatGPTはその用途の広さと扱いやすさから発表から短い期間で、ビジネスの場でも注目を集めるようになりました。次章ではChatGPTのビジネス活用事例を具体的に紹介します。

 

ChatGPTのビジネス活用事例

ChatGPTはその柔軟性と高い自然言語処理能力により、多くの業務での活用が可能です。以下に具体的なビジネス活用事例をいくつか紹介します。

  1. カスタマーサポートを効率化した事例
    近年あらゆるWEBサイトで「チャットサポートを使いますか?」などのポップアップが表示されるのを目にします。触れたことがない方の方が少なくなってきているのではないでしょうか?こういったチャットサポートで使われているのが一般的に「対話AIチャットボット」と呼ばれているものです。これまでの対話AIチャットボットでは、人間が設定したFAQに基づいて回答を提供するため、想定外の質問には対応できず「回答が見つかりませんでした」といった結果になりがちです。
    そこで登場するのがChatGPTの「RAG(リトリーバル・オーギュメント・ジェネレーション):検索拡張生成」技術です。この技術は、事前に定義された知識ベースやドキュメントから関連情報を抽出し、それを元に自然な回答を生成します。例えば、自社独自の規程や文書、複雑なマニュアル、技術文献など、これまでFAQを作成するには膨大な手間と時間がかかるため諦めていたナレッジをRAGに読み込ませます。すると、ユーザーから質問を受けた際に、AIチャットボットがその質問に関連する情報をRAGのデータベース内から検索し、回答を返すことが可能となります。
    具体的な事例として、RAG技術を活用し、顧客からの問い合わせ対応を自動化したケースがあります。この企業では、FAQデータベースやマニュアルをRAGに読み込ませ、問い合わせに対して関連情報を迅速に提供するシステムを構築。結果として、顧客対応時間が大幅に短縮され、顧客満足度が向上しました。
    このRAG技術を活用することで、企業は顧客満足度向上、LTV(顧客生涯価値)の向上が期待でき、結果的に売り上げ増加にもつながります。

  2. マーケティングに活用した事例
    ChatGPTを利用して、顧客の意見や要望を自動で収集・分析することができます。これにより、市場調査や商品開発に役立つ情報の取得が可能になります。
    例えば、セミナーのアンケート結果を基に共通のテーマやトレンドを抽出し、次のセミナー内容に反映させることで、参加者の満足度が向上しました。これにより、顧客のニーズに迅速に対応し、市場での競争力を高めることができました。


これらの事例は、ChatGPTのビジネス活用の一部です。さまざまな業界やビジネスにおいて、ChatGPTを活用することで業務効率化や生産性向上が期待できます。

 

メリットや活用のポイントを分かりやすく解説!
AIチャットボット 社内活用入門ガイド

 

ChatGPT社内導入のポイント

ChatGPTを社内で導入する際には、以下のポイントに注意することが重要です。

  1. セキュリティ(情報漏洩防止)
    ChatGPTを利用する際のセキュリティは非常に重要です。個人利用の場合、「設定」-「データコントロール」-「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにしないと、入力したデータが再学習に利用されます。ただ、企業全体で利用する場合、この設定を利用者全員に徹底して実施させるのは困難です。
    ChatGPT全ての人のためにモデルを改善するをオフにする

    そのため、ChatGPTを企業レベルで導入する場合にはAPIの利用が推奨されます。API経由の利用では送信したデータが再学習に使われないので、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。
    企業では情報漏洩防止やコンプライアンスを意識し、安全なChatGPTの利用環境を整備するのが必須となります。APIは自社で開発も可能ですし、APIを活用した外部サービスを利用するのも手です。

  2. 著作権侵害のリスク
    ChatGPTが生成した文章が他者のコンテンツに酷似する可能性があります。ブログなどでそのまま使用すると著作権侵害のリスクが生じます。ChatGPTは大量のデータから学習しているため、既存のコンテンツと似た文章を生成することがあるからです。生成された文章を使う時には、言い回しなどの表現や構造を調整して独自性を確保しましょう。著作権の侵害は重大な問題です。ChatGPTでコンテンツを生成した場合は生成された文章はそのまま使わず、適切に修正・確認が必要です。

  3. 信ぴょう性の判断(ハルシネーション)
    ChatGPTの文章は統計モデルに基づいて生成されるため、内容が必ずしも正確ではありません。内容を理解して文章生成しているわけではありませんので、ChatGPTが生成した内容をそのまま信じるのではなく、まず利用者自身が内容を理解し、適切な文章であるのか判断してください。また、引用元も明示されないことがありますので、特に専門的な内容で使用する時には情報の出所を明らかにする必要があるでしょう。
    生成された文章は「利用者が自ら書いた文章としなければならない」=ChatGPTの情報が間違えていた場合、ChatGPT利用者が間違いの責任を負う、ということに注意してください。ChatGPTは大変便利なツールですが、使用には慎重さが求められます。内容の信ぴょう性を確保するためにChatGPTの回答を鵜のみにせず、利用者が適切に管理することが求められます。

  4. 利用ガイドの整備
    ChatGPTを導入しても、「自由に使っていい」というわけではありません。ルールを守ることで、ChatGPTを安全かつ効果的に活用し、組織内でのコミュニケーションや業務効率向上に役立てていただきたいですね。
    利用規約・ChatGPT利用のリスクなどをまとめ、使用上の留意点を各自が認識しておくのがベストでしょう。特に注意すべき点は社内研修やガイドブックなどで紹介してもよいかもしれません。

 

ChatGPTを活用したビジネスのメリット

ChatGPTをビジネスで活用することには、以下のようなメリットがあります。

  1. 業務効率化
    ChatGPTを活用することで、作業の自動化や応答の迅速化が可能となります。これにより、業務の効率化が図れます。ルーチンワークの負担を軽減できるため、従業員はより戦略的な業務に集中できるようになります。

  2. 24時間対応
    ChatGPTを活用することで、24時間体制の対応が可能となります。顧客からの問い合わせに迅速かつ正確に対応することができます。

  3. 費用削減
    ChatGPTを活用することで、人的リソースの削減やコストの削減が可能となります。作業時間の短縮やエラーの減少も期待できるため、運営コスト全体を減らす取り組みとして有用です。

  4. カスタマーエクスペリエンスの向上
    ChatGPTを活用することで、顧客へのサービス向上が図れます。これまでの対話型AIチャットボットでは回答できなかった事前登録されていない質問に対しても、迅速かつ正確な応答を提供できるので、顧客満足度の向上につながります。

これらのメリットを享受するために、ChatGPTをビジネスで活用することがおすすめです。
ただし、ChatGPTにもできないことやデメリットがあります。以前の記事「ChatGPTって何がすごいの?できること・できないこと」もご覧ください。

ChatGPT導入に向けた具体的なステップ

ChatGPTを導入するためには、以下の具体的なステップを踏むことが重要です。

  1. 目的の明確化と導入領域の選定
    導入する目的や活用する領域を明確にしましょう。具体的な課題やニーズを把握し、ChatGPTがどのように役立つのかを明確にすることが重要です。
    例として、定型的な報告書の作成やアイデア出し、課題の整理などがあります。

  2. 目標設定と活用ステップ
    弊社は、「全社員がAIを使いこなす人になる」とう目標を掲げました。そのために、足りていないことは何かを考え、あまり活用ができていない管理部門向けのChatGPTハンズオン研修で生成AI知識と活用の底上げを行ったり、現状の業務で活用している部分の適用範囲を広げる活動を行っています。
    このように最初から大きな効果を目指すのではなく、スモールスタートで始めて、徐々にステップアップするのもいい方法だと思います。

  3. デモや無料トライアルで評価
    導入前にデモを見たり、サービスのトライアルや試験導入などで効果を評価することが重要です。実際の使用状況に近いデータを用いてテストし、モデルの精度や信頼性を確認してみましょう。

  4. 導入と運用
    評価が完了したら、ChatGPTやチャットボットを導入し運用しましょう。自社で開発を行っているようなら定期的なモデルのメンテナンスやアップデートを行いながら、適切な運用を行うことが重要です。

これらのステップを踏むことで、効果的にChatGPTを導入することができます。


まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事を通じて、ChatGPTの具体的なビジネス活用事例や導入時のステップについてご理解いただけたでしょうか。カスタマーサポートやマーケティングでの実例を通じて、ChatGPTの利便性と活用方法のイメージをお伝え出来たかと思います。
弊社ではAIチャットボットの開発・販売と、さらには自社での活用を行っております。またAIチャットボットとChatGPTとの連携、RAG技術の活用も行っておりますので、詳しい事例にご興味のある方は是非ご連絡ください。

当サイトでは、AIチャットボット、kintone活用、ChatGPT、総務DXに関するダウンロード資料をご用意しております。ご興味のある方はダウンロードいただき、資料をご活用ください。
また、チャットボットトライアルもご用意しておりますので、ぜひお試しください。

 

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