AIアシスタントの英語翻訳は一筋縄ではいかない!?その原因と対策とは

2022年11月01日 19:00

近年、AI技術が発展し「AIアシスタント」と言われる製品も普及してきました。代表的なAIアシスタントはApple社の「Siri」、Google社の「Googleアシスタント」などが挙げられます。iPhoneユーザーなら「Hey Siri」とAndroidユーザーなら「OK Google」と1度はお手持ちのスマホに呼びかけたことがあるのではないのでしょうか。

また、企業向けのチャットボットも普及してきました。お客様からの問い合わせに対応するカスタマーサービスや、社内問合せなどの人事総務業務の一部をチャットボットに置き換え、時間やコストの削減など業務効率化を図る企業も増えてきています。こちらで利用されるAIチャットボットも業務支援を行う「AIアシスタント」と呼ばれています。

加えてグローバル化も進み、海外の方とコミュニケーションをとる機会が増えてきました。海外の方とのコミュニケーションをとるためには、やはり言語の壁からは逃れられません。そこで、言語の壁を少しでも低くするために、AIアシスタントの翻訳機能を利用される方もいらっしゃると思います。とても便利な翻訳機能ですが、いざ自分の音声を翻訳してみたところ、翻訳内容が少しおかしいなと感じた経験はないでしょうか。そこで本記事ではAIアシスタントの音声翻訳にスポットライトを当てて、翻訳ミスが起こる原因やミスが起こらないようにするための方法について解説していきます。

 

 

あれ?このAIアシスタントの翻訳、間違っていない?

AIアシスタントで音声翻訳をした際、次のように感じた経験はありませんでしたか?

  • 日本語の音声を英語に翻訳したときに、意図した翻訳内容になっていなかった。
  • 英語の音声を日本語に翻訳したときに、意図した翻訳内容になっていなかった。

翻訳ミスの原因は、音声が小さい、文章が長すぎるなど、細かい理由を含めるとさまざまあると思います。数ある原因の中で解消が難しい原因の1つはズバリ「同音異義語」です。

人間同士の会話で同音異義語を意識しながら話す方は、あまりいらっしゃらないと思います。なぜなら会話途中で同音異義語が出てきても、会話の流れやその場の状況で聞き手は適切な意味へ自然と変換できているからです。
それでは、人間とAIの会話ならどうでしょうか。同音異義語が出てきた場合、AIが会話の流れやその場の状況を汲み取った適切な意味への変換することは難しいのです。AIに対して万能なイメージを持つ方も多いのですが、人の臨機応変さにはまだ追い付いてはいません。したがって、意図した回答は得られない現象が発生し、結果的に翻訳のミスが起こりえます。

それでは翻訳ミスの原因が分かったところで、次からは「翻訳ミスを起こさないためには」といった視点で考えていきます。
※本記事では日本語の方言や訛り、英語のイントネーションの違いなどは考えないものとします。

 

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同音異義語についてのおさらいと少しの余談

翻訳ミスを防ぐために、まずは「同音異義語」について簡単におさらいしたいと思います。
意味は読んで字のごとくですが、「発音は同じだが意味が異なる語」です。
日本語の同音異義語で筆者が思い浮かべたのは「はし(橋、箸、端)」や「いじょう(以上、異常、異状)」でした。
英語でも同様に考えてみましたが、すぐに思い浮かばなかったので少し調べてみました。利用頻度が高い単語としまして、「バイ(by、bye、buy)」や「トゥー(to、too、two)」が挙げられるようです。日本語ほどではないですが、英語もさまざまな同音異義語が存在します。また、日本語・英語に限らず中国語や韓国語、フランス語でも同音異義語は存在しています。

ここから少し余談です。堅苦しい話題が続きましたので息抜きしてみて下さい。
個人的に興味があったので、日本語の中で一番多い同音異義語の数を調べてみました。そこで読者の皆様にクイズを出題させて頂きます。

日本語の中で一番多い同音異義語の数はいくつでしょうか?予想してみてください。
筆者の予想では「5個くらいかな」でしたが…。

正解は、なんと筆者予想の10倍近くある「48個」です!ちなみに48種類の意味を持つ単語は「こうしょう」でした。「こうしょう」の漢字をそれぞれ確認しましたが、「交渉、校章」ぐらいしか筆者は使ったことがありませんでした。。。お時間ある方はいくつ出るか?チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

 

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AIアシスタントに意図した意味に翻訳させるには

それでは、翻訳ミスを起こらないようにするための方法についてお話しします。
結論を一言で表すと、「同音異義語を使わず、別の単語で言い換える」ことです。
単純に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、意外と意識しないと難しいと思います。なぜなら序盤でも取り上げましたが、普段の会話で同音異義語は意識せずに話しているためです。
具体的な同音異義語と言い換えの例を挙げてみたいと思います。

「いじょう」

  • 「以上」→「より大きい」
  • 「異常」→「桁違い」、「特別」
  • 「異状」→「変わり目」、「逸脱」

ポイントとしては、熟語から熟語に言い換えるのではなく、形容詞や副詞などを混ぜた単語に言い換えてみることが良いと思います。熟語から熟語への言い換えはおススメできません。なぜなら、言い換え後の熟語が別の同音異義語になる可能性があるからです。例えば、「異常」を「故障」と言い換えた場合、「故障(こしょう)」が別の同音異義語である「胡椒」や「湖沼」になってしまいます。普段の会話から同音異義語を意識しながらお話ししてみるのも、面白いかもしれません。その時は「熟語から熟語へ」ではなく、「熟語を形容詞や福祉などを混ぜて表現してみる」のを楽しみながらやってみてください。

 

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まとめ

AI技術は日々進化しています。現状、同音異義語の前後のフレーズをAIが認識してより信頼性の高い変換が行われるようになっています。例えば、「はしを持つ」とAIに伝えれば、「持つ」というフレーズから「箸」が導き出されるイメージになります。ただしそれも100%成功するわけではありません。「はしを歩く」となった場合、「端を歩く」か「橋を歩く」の選択が生まれてきます。AIが文脈を理解することで、複数の選択肢がある中でもより信頼性が高い変換はできると思いますが、正しい変換や翻訳ができるようになるにはまだまだ難しいと思われます。
同音異義語に完全対応するAIアシスタントが誕生すれば、言語の壁はさらに低くなり、最終的にはその壁が無くなるのではないでしょうか。ドラえもんのひみつ道具である「ほんやくコンニャク」が現実化されるような、そのような面白い未来が待っているかもしれませんね。ただその時代はすぐには来ないと思われますので、しばらくは「同音異義語」とその言い換えを意識していく方が良さそうです。

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