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- 導入事例 いすゞ自動車株式会社様
「nMinutes」の導入で削減できた議事録の要約時間を
業務品質の向上や新たな価値の創出につなげていきたいと考えています。

いすゞ自動車株式会社は「全社員が利用できる生成AI環境」「品質保証に関する膨大な社内議事録データ要約」「会議議事録の要約」の領域において、本格的な生成AIの導入に取り組みました。
「品質保証に関する膨大な社内議事録データ要約」「全社員が利用できる生成AI環境」ではNDIソリューションズのAIチャットボット「CB3」などを用いて早期実用化を達成。「会議議事録の要約」においてもNDIソリューションズの「nMinutes」を選定し、全社的な展開を目指しています。その「nMinutes」導入の背景や効果などについて、いすゞ自動車株式会社コーポレートIT部 オフィスITグループグループリーダー佐藤英博様、同グループ山田就策様、ソリューションエキスパート部EA企画グループ菊池凌平様にお話を伺いました。
Point
・議事録作成の効率化による大幅な時間削減
・「nMinutes」選定の決め手は低コストと高精度
・生成AI活用の本質は「業務の価値向上」
■御社の会社概要をお聞かせいただけますか。
いすゞ自動車は商用車メーカーとして、主にトラック・バスの製造・販売を展開。日本の自動車産業の夜明けから100年以上にわたって世界の「運ぶ」を支えるとともに、地域・社会の持続的な発展に貢献しています。社会から必要とされるものづくり企業として、人々の生活に寄り添い、「運ぶ」を進化させることで、社会を前進させていくことが私たちの使命だと考えています。
当社は社会課題に取り組み、商用車業界をリードする存在になるべく挑戦し続けています。具体的にはボルボ・グループとの戦略的提携、CASE対応加速に向けたCJPT (Commercial Japan Partnership Technologies)での協業、カミンズとのパワートレイン事業における協業など、各分野の一流のパートナーとのアライアンスを構築することで、技術やノウハウを相互に活用し合える環境を整えました。また、2021年4月にUDトラックスがいすゞグループ入りして以降、人的交流や文化的交流を通じて新しい価値を創造しようとする風土が醸成されています。
100年以上の歴史で培った事業基盤に加え、アライアンス・パートナーとの協業やグローバルに広がるいすゞグループの多様な人材・組織を活かし、さまざまな社会課題や物流業界の課題への取り組みを進めながら、これからも世界を進化させるイノベーションリーダーへ自らを変革してまいります。
■生成AIにおける取り組みの背景をお聞かせいただけますか。
2022年11月にChatGPTが公開された際、先進的なITを調査するワーキンググループを中心に、生成AIの活用が非生産的な業務の効率化につながるかどうかの検証を始めたことが取り組みの第一歩となります。その後、2023年のマネジメントミーティングにおいて、品質保証部門の「品質保証に関する膨大な社内議事録データ要約」作成に膨大な時間がかかっているという課題がクローズアップされ、この課題の解決に生成AIが役立つのではないかと話が発展。さらに、ワーキンググループでも生成AIの活用による業務への影響を十分に理解できたことから、本格的に生成AIを推進する取り組みとなりました。
■本格的な生成AIの取り組みはどのように推進されたのでしょうか。
具体的な取り組みは、ChatGPTのガイドライン作成と予算確保から始まりました。その後、非生産的業務の効率化を念頭に生成AIをどのように展開していくか検討し、3つの領域を策定しました。1つ目は「全社員が利用できる生成AI環境」の整備、2つ目はマネジメントミーティングで挙がった「品質保証に関する膨大な社内議事録データ要約」、3つ目が「会議議事録の要約」です。
「全社員が利用できる生成AI環境」については、社員全員が気軽に生成AIに触れる機会を提供することが重要という視点で策定しました。ただし、情報漏洩対策・セキュリティ対策を考えると、入力データを学習されないクローズド環境は必須です。そこで、Azure OpenAI Serviceに「ISUZU AI Chat」という名称の生成AIを構築しました。また、コミュニケーションの中心となっているMicrosoft Teamsに組み込むことで、利用率を高める工夫もしました。
「ISUZU AI Chat」の開発においては、NDIソリューションズに尽力いただきました。また、「品質保証に関する膨大な社内議事録データ要約」と「全社員が利用できる生成AI環境」のフロントにあたるインターフェースには、NDIソリューションズのCB3というチャットボットツールを採用しています。

■「nMinutes」導入のきっかけとなった3つ目の「議事録の要約」では、どのような課題があったのでしょうか。
会議議事録作成は会議の録音を聞きながら文字起こしを行い、それをもとに要約するという手間も時間もかかる作業で、まさに非生産的な付帯業務といえます。もちろん、効率化を図るため、既存のツールを利用して「議事録の要約」を試みました。しかし、文字起こし精度の問題などがあって全社展開には至りませんでした。そうした状況に、社員から「別のツールを試したい」という問い合わせが入ることもありました。そこで、3つ目の領域として「議事録の要約」を策定した次第です。
■「nMinutes」を導入する際、比較・検討はされたのでしょうか。その際、「nMinutes」を選定した理由もお聞かせいただけますか。
「nMinutes」を含め、複数の製品を比較・検討しました。どれもSaaS(Software as a Service)の製品でしたから、トライアルは容易に行うことができました。トライアルを踏まえ、「nMinutes」を選定した理由のひとつは圧倒的な低コストです。多くの製品は、ユーザー1人当たりの月額費用となるため、数千人規模の利用となる当社の場合、莫大なコストがかかります。これに対し、「nMinutes」はユーザー数に縛りはなく、法人1社が使った時間だけの従量課金という仕組み。安価で利用できる「nMinutes」は、非常に大きなインパクトがありました。
もちろん、精度の高さも大きな理由となりました。「nMinutes」の文字起こしは、高精度で定評のあるOpenAI社の音声認識モデル「Whisper」を採用。実際に試したところ、文字起こしの精度が高く、それが要約にも反映されていると感じました。さらにUIがシンプルで分かりやすい点も評価。これらの点を考慮し、「nMinutes」を選定させていただきました。
■導入プロセスと現在の利用状況をお聞かせいただけますか。
2023年末、リリース直後の「nMinutes」はSSO(Single Sign-On)未対応でしたが、まずは我々の部門で試験的に導入しました。2024年2月にSSO対応版のリリースを受け、4~6月までの3カ月間を試用期間として全社展開。この試用期間の利用率が高かったため、7月から本契約に至っています。現在、「nMinutes」は最大で月約1,000時間、平均では月800時間ほど利用されています。詳細な分析はこれからですが、利用している部門は開発部門が多いと感じます。
■「nMinutes」導入後の評価をお聞かせいただけますか。
初期のアンケート結果を見ると、ユーザーの評価は概ね好評です。高い精度はもちろん、文字入力の必要がなく、ワンクリックで要約してくれるのが便利との声が数多く寄せられています。大半のユーザーは、気軽に利用できる生成AIという印象を持ったと思います。
実はミーティングの備忘録としても「nMinutes」を積極的に利用しています。10人前後の部下と毎月ミーティングを実施するとなると、次回のミーティングのために備忘録が必要になってきますが、その都度、メモや書き起こしを行うのは非常に面倒です。そこで、ミーティングを行う際に録画をして、その録画データを「nMinutes」に読み込ませて要約しています。高い精度の要約が得られますから、部下ごとに分類しておけば、より建設的なミーティングを行うことができます。
ウェビナーなどのイベントに利用するのも効果的かもしれません。こうしたイベント時は録画が必須で文字起こしや要約も行いますから、「nMinutes」は大いに活躍するはずです。

■定量的効果についても教えていただけますでしょうか。
会議の欠席者や議事録を作成する人にとっての時間短縮効果が大きいですね。
出席できなかった1時間の会議録画データを内容確認のために後から見返す場合にも、議事録作成者が1時間の会議の文字起こしと要約を行う場合にも、少なくとも会議と同等の時間がかかると想定できます。それが「nMinutes」を利用すれば、生成された議事録要約結果からの会議概要やNextActionの確認であれば5分もあれば済みます。つまり、時間は1/12に短縮できます。これを当社の月平均の利用時間、800時間に当てはめると約67時間。おおよそですが、800時間から67時間を引いた時間、つまり763時間が削減されています。そして、この削減時間に当社の平均時給や稼働日数などをかけると、非常に大きな削減効果が得られていると考えています。

■今後の展開をお聞かせいただけますか。
まずは、「nMinutes」の利用率を高めることに注力していくつもりです。そのためには、定量的効果やROI(Return On Investment)に固執するのではなく、ユーザーの生産性向上に着目すべきだと考えています。単なる時間削減よりも、「短時間で精度の高い業務がこなせる」「業務に楽しさや嬉しさがともなう」「業務が楽になって別の業務に着手できる」など、業務品質の向上や新たな価値の創出につながる活用シーンを提案できれば、自ずと利用率は高まっていくと思っています。加えて、利用率を高めるにはMicrosoft Teamsへの組み込みも欠かせません。ここについては、NDIソリューションズの技術力に期待しています。
■AIで議事録要約を支援するツールの導入に迷われている方々に、「nMinutes」の先行ユーザーとしてアドバイスがあればお願いします。
ユーザーが理解して使えば、「nMinutes」は間違いなく効果が得られるツールだと思っています。これからはAIを利用するのが当たり前の時代になりますから、導入を迷っている場合ではないと思います。しかも、「nMinutes」はSaaSで導入が簡単です。利用しない手はありません。
■NDIソリューションズに対する期待をお願いします。
当社における生成AIの推進は、NDIソリューションズの伴走支援が大きな役割を果たしています。また、動画コンテンツを自動解析し、ユーザーとインタラクティブに対話する生成AIツール「Video Questor(ビデオクエスター)」など、NDIソリューションズは続々と生成AIの製品をリリースしていると伺っているため、ぜひご案内いただきたいですね。当社の業務効率化、生産性向上につながるようなツールであれば、検討させていただきます。引き続き、手厚い支援を期待しています。

会社概要
いすゞ自動車株式会社
本社所在地:神奈川県横浜市西区高島一丁目2番5号 横濱ゲートタワー
創業:1916年
設立:1937年4月
代表者:代表取締役 取締役会長 CEO 片山 正則
代表取締役 取締役社長 COO 南 真介
従業員数:連結:45,034人
単独:8,491人(2024年3月末時点)
主要製品:大型・中型・小型トラック、バス、自動車用ディーゼルエンジン、産業用ディーゼルエンジン