「kintone」&「HULFT Square」で営業変革
実績報告から販売方針の検討へ商談の質を向上
業務とデータを理解したシステム設計で変革に貢献

お写真左より AGC グラスプロダクツ株式会社 営業本部 第1営業部 高橋 翼氏、AGC 株式会社 建築グラス アジアカンパニー 事業企画室 福留 弘士氏、AGC グラスプロダクツ株式会社 営業本部 第1営業部 大利 康裕氏
分散するデータの収集と集計に多くの時間を要していたAGCグラスプロダクツの営業部門。営業担当者が必要な情報にすぐアクセスできる環境の整備に向け、新システムの構想に取り組みました。
業務とデータ、そして多様なITソリューションを理解したシステム設計と構築によって、そのプロジェクトに貢献したのがNDIソリューションズです。新たに構築した営業支援基盤によってAGCグラスプロダクツの営業活動の質は、大きく変化しています。
分散している様々なデータが営業担当者の業務を圧迫
AGCグループの一員として、建築用加工ガラスの製造・販売を手がけるAGCグラスプロダクツ。遮熱性能を備えたLow-E複層ガラスや安全性を重視した強化ガラスなど、快適性、省エネ、安全・防犯・防災といった、現在の建築に求められる多様な要件に対応する製品を提供しており、国内の建築用加工ガラス分野ではトップレベルのシェアを持っています。
製品の品質や技術力だけでなく、全国に販売網を展開し、地域ごとの市場動向やニーズを踏まえた営業活動を行っていることも同社の特徴の1つです。「約100社の特約店様と連携しながら、市場の変化や地域固有のニーズを捉え、適切な情報提供と製品提案を行っています」とAGCグラスプロダクツの大利 康裕氏は話します。
こうした営業活動を支えているのが様々なデータです。売上や利益などの社内の実績データに加え、国土交通省が公表する建築着工統計などの外部データも活用し、営業の進捗把握や市場ニーズの分析に役立てています。「例えば、省エネ性能を備えたLow-E ガラスの採用比率を『Low-E 化率』として定量的に把握。地域ごとの傾向や過去との変化を確認し、環境性能に対する意識の変化を読み取っています」(大利氏)。

AGCグラスプロダクツ株式会社
営業本部 第1営業部
営業1課 課長
大利 康裕 氏

AGCグラスプロダクツ株式会社
営業本部 第1営業部
営業1課
高橋 翼 氏
しかし、課題もありました。データの収集や集計にかかる負担です。
営業担当者が扱うデータは、基幹システム、部門システム、外部サイトなど、複数の環境に分散していました。そこから目的に応じて必要なデータを抽出して集め、Excel などで集計を行い、レポートを作成する作業はすべて手作業。その負荷は決して小さくなく、負担を軽減するための取り組みが必要でした。
「本来、注力すべきはデータにまつわる作業ではなく、市場の変化を読み取り、特約店様と共に次の施策を考えることです。中堅やベテランの営業担当者は、どこにどのデータがあるかを把握しているため、比較的スムーズに作業できますが、それでも一定の時間がかかっていました」と大利氏は振り返ります。また、同社の高橋 翼氏も「若手や異動直後の営業担当者ともなると必要なデータにたどり着くまでに慣れが必要で、売上推移をまとめた簡単なレポートを作成するだけでも相応の時間を要していました」と続けます。
豊富な経験と実績に基づく知見と技術力を評価
課題を解決するため、同社は分散しているデータの収集、目的に応じた集計までを自動的に行う新たな仕組みの構想に着手しました。「データを利活用するための新たな営業支援基盤の実現に向けて、AGCのDX部門も参画しながら検討を開始しました」とAGCの福留 弘士氏は話します。
システムインテグレーターとして、このプロジェクトに共に取り組んだのがNDIソリューションズです。「営業支援基盤は、当初からデータ連携基盤に『HULFT Square』を据え、データの蓄積、可視化を業務改善プラットフォームであるサイボウズの『kintone』で行う構成を考えていました。それを前提にRFPを提示し、複数の提案を比較。特に業務要件やデータの流れに対する理解が深く、随所に豊富な知見と技術力を感じたNDIソリューションズの提案を採用しました。例えば、kintoneで集約したデータを一度HULFT Squareに渡し、そこで加工してkintoneに戻す。これは、膨大なデータ処理とシステムの応答性を両立させるためにNDIソリューションズが提案してくれた設計です」と福留氏は話します。

AGC株式会社
建築グラス アジアカンパニー
事業企画室
企画・戦略グループDX戦略チーム
マネージャー
福留 弘士 氏
状況把握は数時間から数分に短縮
内製開発による業務変革にも発展
営業支援基盤の目的は、データ収集や集計ではなく、営業担当者やマネージャーが必要な情報にすぐにアクセスできる環境を整え、営業を支援することです。まず営業現場が求めている視点を整理し、そこから逆算して必要なデータを洗い出しました。その上で「対予算比実績」「建物別実績の対前年比」「エリア/担当/品目/年月ごとの平均単価」など、営業担当者がすぐにアクセスしたい情報を計算するためのロジックを定義し、システムの骨格を固めていきました。大利氏は「データやITに詳しくない私たちの話を丁寧に聞き、場合によっては言語化しきれなかった業務の流れや判断のポイントもくみ取ってくれました」と、NDI ソリューションズの業務や現場の意図を深く理解しようとする姿勢を評価します。
完成した営業支援基盤は、図のような構成で多様なシステムからデータを抽出して収集し、HULFT Square 上で定義したロジックで集計を実行。その結果をkintone に蓄積し、営業担当者による可視化や分析を支えています。「以前なら数時間以上かかっていた営業の進捗確認をものの数分で行えるようになり、本来、営業担当者が注力すべき市場動向の把握や特約店様との提案検討に時間をかけられるようになりました。また、ベテラン、中堅、若手に関係なく、営業担当者が作成するレポートも項目名やフォーマットが統一され、資料を受け取るマネージャーも確認しやすくなっています」と大利氏は話します。

その結果、営業活動の質は大きく変化しました。「単なる実績報告にとどまらず、市場の変化などを共有しながら販売方針について話し合うことが増えました。特約店様との会話や関係性も、施策を検討する内容へと広がっています」と高橋氏は強調します。
さらにノーコードで業務アプリを開発できるkintone の特性を活かし、以前は別の仕組みで行っていた週次報告業務も営業支援基盤上で行っています。そのためのアプリは高橋氏が内製で開発しました。
「現場主導で業務を改善する機運の高まりにもつながると考えてkintone を選びました。週次報告アプリは、その第一歩です。データ活用の点でも、特約店様との会話で出てきたキーワードなど、定性的な情報を蓄積していくことで、顧客ニーズをより立体的に把握できる可能性があると考えています」と福留氏は話します。
新しい営業支援基盤による営業改革は社内でも評価され、プロジェクトは社内表彰を受けました。ただし、AGC グラスプロダクツは、現在の営業支援基盤を完成形とは捉えていません。「NDI ソリューションズの設計によって、営業支援基盤は新しいデータや処理を追加しやすい仕様になっています。目的や成果を見極めながら機能拡張を検討していきます」と福留氏。また大利氏も「営業だけでなく、製造部門にとっても価値のある情報を提供するなど、全社に貢献する仕組みに成長させたいと考えています」と言います。
データを扱う負荷の削減を起点に、データドリブンな営業への変革を実現したAGC グラスプロダクツ。今後も変革を継続しながら、建築用加工ガラス分野の多様なニーズに、よりタイムリーに応えていく構えです。
会社概要
AGC グラスプロダクツ株式会社
本社所在地:東京都台東区東上野4-24-11
従業員数:1034名(2024年末時点)
https://www.agc-gp.co.jp/
