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AWS導入事例

-NDIソリューションズ株式会社-

新聞社向けのサービスをAWSに集約

コスト削減や拡張性・柔軟性の向上を実現

  1.  AWSでDX支援サービス トップ導入事例 > NDIソリューションズ株式会社

導入効果

  • インターネット回線の冗長性と品質保証の問題解決

  • コスト削減

  • システムの拡張性と柔軟性の向上

NDIソリューションズ株式会社(略称NDIS)について

NDIソリューションズ株式会社(以下、NDIS)は、1981年に設立された日本のIT企業です。東京をはじめとする全国各地に拠点を構え、デジタルトランスフォーメーション(DX)の支援からIT製品の販売、トータルソリューションの提供まで、幅広いサービスを展開しています。

特に注目されるのは、同社が採用している「ショールーム化」のコンセプトです。これは、自社で使用して効果を実感した製品やサービスを顧客に推奨するという方針で、顧客としての経験を基に、最適なソリューションを提案することができます。このアプローチにより、NDISは自社のサービスをリアルタイムで改善し続けながら、顧客に対しても最新かつ効果的なソリューションを提供することが可能となっています。

DX支援では、特に中堅・中小企業を対象にしたSaaS(Software as a Service)製品の提供に力を入れており、2023年6月時点で60種類を超えるサービスを取り扱っています。これらのサービスは顧客の課題解決に直結しており、同社の強みである顧客に寄り添うサポートと組み合わせることで、一層の価値を提供しています。

このようにNDISは、革新的なITソリューションを提供するだけでなく、それらを自社内で実践することで、その有効性を確かめ、信頼性の高い提案ができる企業です。AWSの導入もこの一環として行われたもので、その詳細については後述します。

NDISの新聞社向けサービス(ビジネス)について

NDIソリューションズ株式会社(NDIS)は、新聞社向けの専門的なITサービスにおいても独自の地位を築いています。特に、新聞のデジタル化とそのデータ管理に重点を置いたサービスは、多くの新聞社から高い評価を受けています。

統合データベースサービス

NDISが提供する統合データベースは、新聞社が保有する大量の記事、画像、紙面イメージをデジタル形式で一元管理します。このデータベースは、掲載日やキーワードなど、多様な検索機能を備え、新聞の制作過程において重要な役割を果たしています。データの迅速な検索と取得が可能であるため、編集作業の効率化が図れるのです。

サービスをご利用頂いているお客様

神戸新聞社様、デイリースポーツ様
2011年~(2018年からAWSにて運用開始)

電子新聞システム

電子新聞システムは、新聞紙面をデジタル形式で閲覧できるようにするもので、パソコンやスマートフォンを通じてアクセス可能です。このシステムにより、購読者はいつでもどこでも最新のニュースにアクセスでき、新聞社様は紙の印刷や配送コストを削減しつつ、より広い読者層にリーチすることが可能になります。

サービスをご利用頂いているお客様

神戸新聞社様
2012年~(2018年からAWSにて運用開始)

デイリースポーツ様
2010年~(2018年からAWSにて運用開始)

電子新聞システム FireTVへの対応

2023年には、この電子新聞システムを拡張し、さらに多様なデバイスでのアクセスを可能にするためのアップデートを行いました。特に、大画面での閲覧が可能となるFireTVへの対応は、新しい顧客層の獲得と既存顧客の利便性向上に寄与しています。

これらのサービスは、新聞社様がデジタル変革を進める上で必要不可欠なものであり、NDISの技術力と革新的なアプローチが高く評価されています。また、これらのシステムを支える技術基盤としてAWSが選ばれたのは、その信頼性と拡張性に他なりません。

導入背景:NDISにおけるAWSの採用理由

NDIソリューションズ株式会社(NDIS)がAmazon Web Services(AWS)を導入した背景には、具体的な技術的課題と経営上の課題が存在しました。これらの課題を解決するために、クラウドサービスへの移行が不可欠であったとされています。

技術的課題

以前のシステムでは、新聞社向けの統合データベースや電子新聞システムがお客様のオンプレミス、またはデータセンターで運用されていました。これらの環境は、以下のような複数の問題を抱えていました。

Internet-redundancy-and-quality-assurance

1.インターネット回線の冗長性と品質保証

サービスは24時間365日稼動が必要であり、回線障害への備えとして、複数のインターネットサービスプロバイダーとの契約が求められました。また、利用者が集中する時間帯の帯域確保も課題となっていました。アクセスが集中する利用時間帯に遅延が発生しないように、あらかじめ高品質な回線契約が必要でした。

Storage-scalability-and-cost

2.ストレージの拡張性とコスト

新聞の紙面や画像のアーカイブデータは常に増加しており、大容量のストレージ需要が年々高まっていました。物理的なストレージの拡張には高いコストが伴い、さらには故障時のリスクも重大な問題でした。
ストレージサーバーは容量増加を想定してあらかじめ大容量のディスクを購入、かつ拡張性のあるハイエンドな装置が必要でした。

Physical-Server-Updates-and-Maintenance

3.物理サーバーの更新とメンテナンス

データセンターでの物理サーバーは定期的な更新が必要であり、その都度、高額な投資と複雑な移行作業が必要でした。また、ハードウェアの故障に対する迅速な対応が求められる一方で、リソースの増加に伴う物理的なスペースの問題も発生していました。

経営上の課題

NDISは、顧客に対してコスト効率の良いサービスを提供することを目指していましたが、上記の技術的課題は運用コストの増加を招いていました。特に、データセンターの維持費や物理サーバーの更新コストは、サービスの価格設定に大きな影響を及ぼしていました。

AWS導入の決定

2018年、サーバーの更新時期にあたり、これらの課題を解決するための方法としてAWSの採用が決定されました。AWSを採用することで、インフラの即時性、スケーラビリティ、そしてコストパフォーマンスの向上が期待されました。AWSの豊富なサービス群と強力なセキュリティ体制は、NDISが直面していた問題を根本から解決するための最適な選択でした。

このような背景から、NDISは新聞社向けサービスのITインフラをクラウドベースに転換し、AWSを核とした新しいシステムを構築することにしました。これにより技術的な制約を超え、ビジネスの拡大とサービスの向上を目指すことが可能になったのです。
当時は、クラウドサービスを利用したシステム構築事例が社内になく初めての試みでしたが、自社で構築するサービスに積極的に取り入れるショールームポリシーもAWS採用の後押しとなりました。

解決策:AWS導入による課題解決とその効果

NDIソリューションズ株式会社(NDIS)のAWS導入は、新聞社向けのサービス提供において数多くの課題を克服しました。AWSの様々なサービスを活用することで、インフラの運用効率が大幅に向上し、コストパフォーマンスも改善されました。

AWSの主要サービスと活用方法

<電子新聞システム構成図>

AWScase_NDIS_電子新聞システム構成図

1.Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)

NDISは、Amazon EC2を用いて、以前は物理サーバーで構築されていたデータベースサーバー、ウェブサーバー、画像処理サーバーをクラウド上に移行しました。これにより、いつでも必要なリソースの拡張が行えるようになり、アクセス量の増加にそなえた過剰な性能のサーバーの購入が不要となりました。そのため初期投資を抑えることができました。

2.Application Load Balancer (ALB)

複数の新聞社様向けのサービスを行っているため、アクセスURL毎にアクセスするアプリケーションを制御する必要があります。ALBを使うことでサービス追加時の設定作業とSSL証明書管理も容易になりました。

<電子新聞システム FireTVへの対応 構成図>

AWScase_NDIS_電子新聞システムFireTVへの対応構成図

.AWS Lambda

2023年よりサービス提供を開始した、FireTV向けのアプリケーションでは、Lambdaを使ったサーバーレスアプリケーションを採用し、ランニングコストを抑えることができました。

4.Amazon Cognito

2023年よりサービス提供を開始した、FireTV向けのアプリケーションでは、Cognitoを採用することで、ログイン認証機能の構築を短期間で行うことができました。

課題の解決と成果

1.インターネット回線の冗長性と品質保証の問題解決

AWSの高可用性により、回線冗長化の必要性が軽減されました。AWSのグローバルインフラストラクチャは、高い可用性を保ちつつ、アクセスが集中する時間帯でもサービスの遅延を最小限に抑えます。そのため、回線業者のメンテナンスや故障における対応も、アクセス集中時の高負荷にそなえた高品質・高価格な回線選定や契約も不要となりました。

2.コスト削減

物理サーバーの維持・更新にかかるコストが削減されました。クラウドサービスへの移行により、初期投資として必要なハードウェアの購入や導入作業が不要となりました。またハードウェアや回線のメンテナンスや運用コストも大幅に下がりました。具体的には、ITコストが年間で30%削減される結果となりました。

.システムの拡張性と柔軟性の向上

AWSのスケーラブルなサービスを活用することで、ユーザーの需要に応じてリソースを迅速に調整できるようになりました。必要に応じてストレージ領域を確保し、最適なコストでストレージ容量を確保。高い可用性が保証されており、HW障害による停止は不要になりました。新しい機能の追加やデータの増加にも柔軟に対応することができ、ビジネスの成長をサポートしています。

このように、AWSの導入はNDISにとって多方面でのメリットをもたらしました。今後もこのクラウドプラットフォームを活用し、さらに多くの革新的なサービスを展開していく計画です。

今後の展望:NDISによるAWSのさらなる活用

NDIソリューションズ株式会社(NDIS)は、AWSを導入して得た成功を基に、今後もテクノロジーの進化を積極的に取り入れていく方針です。新しい技術の採用を通じて、さらに効率的で革新的なサービスを提供し続けることが目標です。

サービス拡張と新技術の採用

1.サービスの拡張

NDISは、現在提供している電子新聞システムやデータベースサービスの機能拡張を計画しています。具体的には、AI技術を用いた検索機能の向上や、ユーザーインタフェースの改善を行い、より直感的で使いやすいプラットフォームを目指します。

.新技術の導入

IoTや機械学習などの最新技術を活用した新サービスの開発に注力します。これにより、顧客のニーズに更に細かく応えるカスタマイズされたソリューションを提供できるようになることを期待しています。

AWSとの連携強化

AWSが提供する新しいクラウドサービスやツールの採用を積極的に進め、インフラのさらなる最適化を図ります。特に、AWS LambdaやAmazon SageMakerなど、サーバレスコンピューティングとAI・機械学習の分野でのサービス利用を拡大する計画です。これらの技術を用いることで、システムの運用効率とデータ処理能力が向上し、顧客にとって価値の高いサービスを提供できるようになります。

サステナビリティと社会への貢献

NDISは、環境への影響を考慮し、持続可能なサービス設計を心掛けています。AWSのクラウドソリューションを利用することで、物理的な資源の消費を抑え、エネルギー効率の良い運用が可能となります。これにより、企業としてのカーボンフットプリントを削減し、環境保護に貢献することも視野に入れています。

これらの取り組みを通じて、NDISはIT業界におけるリーダーとしての地位をさらに強化し、新たな価値を創出し続けることを目指しています。AWSの革新的なクラウドテクノロジーを活用しながら、顧客満足度を最大化し、業界全体の発展に貢献する道を歩んでいく予定です。