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AWS導入事例

-株式会社エクシオテック様-

建設現場の安全性向上とコスト削減を両立
不安全検知プラットフォームで効果を実感

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導入効果

  • 不安全検知プラットフォームによるパフォーマンスの向上

  • コスト削減

  • システムの拡張性と柔軟性の向上

株式会社エクシオテックについて

株式会社エクシオテック(以下、エクシオテック社)様は、1948年に設立され、東京都大田区平和島に本社を置くICT総合エンジニアリング企業です。「環境変化に即応し、お客様第一の精神に基づき、先進の技術力と高い品質・最良のサービスで、情報通信サービスをサポートし、豊かな社会の実現に貢献する」ことを掲げ、常に変革と挑戦を続けています。ICTソリューションを通じて、スマートライフ社会の進展に貢献し、デジタル化の波に乗るためのインフラ整備と、革新的な技術の導入を推進しています。

導入サービス

  • Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)
  • Application Simple Storage Service (Amazon S3)
  • AWS Lambda
  • Amazon Cognito

導入背景:エクシオテック社におけるAWSの採用理由

建設業の実情

建設現場では高所作業や重機の使用機会が多いため、安全管理が重要とされています。しかし、万全な安全管理が行われていても、事故を完全に防ぐことは難しく、特に高所からの落下事故が多く発生しています。厚生労働省の報告によれば、建設業での死傷事故の主要原因は高所からの落下であると言われています。

背景

建設現場での事故発生には、作業現場の環境要因や管理的要因が関与しています。例えば、フルハーネス安全帯未装着での高所作業や、人手不足により無理な作業を行わせることが事故の要因となっています。これらの要因を回避しつつ、質の高い作業をスケジュール通りに行うために、リスクアセスメントの導入が求められています。

作業現場に常に管理者を配置するのはコスト面で限界があるため、IT技術やAI技術の活用が期待されています。このためのプラットフォームが「不安全検知プラットフォーム」です。

以下の技術的課題、経営上の課題を解決するために、クラウドサービスへの移行が不可欠でした。

技術的課題

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ネットワークカメラと高速通信の必要性。

カメラの追加や入れ替えの柔軟性。

現場ではすでにネットワークカメラを採用し活用されておりました。このネットワークカメラと高速な通信を行えることや、カメラの追加や入れ替えなどに柔軟に対応する必要がありました。

経営上の課題

NDISは、顧客に対してコスト効率の良いサービスを提供することを目指していましたが、上記の技術的課題は、通常のオンプレミスでのシステム提供では、データセンターの維持費や物理サーバーの更新コストなど、コストに大きな影響を及ぼすことが考えられました。

AWS導入の決定

これらの課題を解決するための方法としてAWSの採用が決定されました。AWSを採用することで、インフラの即時性、スケーラビリティ、そして高いコストパフォーマンスが期待されました。AWSの豊富なサービス群と強力なセキュリティ体制は、NDISが直面していた問題を根本から解決するための最適な選択でした。

解決策:AWS導入による課題解決とその効果

AWSの主要サービスと活用方法

<不安全検知プラットフォーム構成図>

AWScase_exeotech_不検知プラットフォーム構成図

1.Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)

Amazon EC2を用いて、ネットワークカメラからの画像にフルハーネスを未装着の確認を行うAIを稼働させました。EC2のモデルはGPU搭載モデルを採用することにより、画像処理といった高負荷の処理も高パフォーマンスで実行することができました。これにより、短時間で不安全を検知することができ、不安全検知時は即座に担当者へ通知することが可能となりました。

2.Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)

検知の状況などを表示・管理するポータルサイトは、S3のウェブサイトホスティングを使用して提供しました。その他、ネットワークカメラからの映像の保存や検知状況の情報を保存し、通知及びAIのデータ連携に活用しながらも、コスト削減を実現しています。

3.AWS Lambda

2022年よりサービス提供を開始した、不安全検知プラットフォームでは、AI以外の処理にLambdaを使ったサーバーレスアプリケーションを採用し、ランニングコストを抑えることができました。

4.Amazon Cognito

不安全検知プラットフォームでは、Cognitoを採用することで、ログイン認証機能の構築を短期間で行うことができました。

課題の解決と成果

1.パフォーマンス

GPU搭載のAmazon EC2モデルを活用することで、高負荷な画像処理を迅速に行うことができ、不安全検知の即時性を確保することができました。高所作業中のフルハーネス未装着の状態をリアルタイムで検知し、迅速に対応することが可能となりました。これにより、現場での事故リスクが低減されることとなり、安全性の向上に寄与しました。

2.コスト削減

Amazon S3やAWS Lambdaを活用することで、従来のオンプレミスシステムに比べてインフラコストの大幅な削減を実現しました。オンデマンドでリソースを利用できるため、必要な時に必要な分だけのリソースを利用することができ、無駄なコストを削減できました。また、物理サーバーの維持や更新にかかるコストも不要となり、全体の運用コストを効率的に抑えることができました。

.システムの拡張性と柔軟性の向上

AWSのスケーラビリティにより、必要に応じてリソースを迅速に拡張・縮小することが可能となり、柔軟な運用が実現しました。これにより、新たなプロジェクトや増加するデータ量にも迅速に対応でき、業務の効率化が図れました。さらに、ネットワークカメラの追加や削除といった運用上の想定処理もシステムに組み込み、長期的なサービス提供を支援しました。

Amazon EC2での高負荷画像処理によるリアルタイム不安全検知、Amazon S3やAWS Lambdaでのインフラコスト削減を実現。さらには、AWSのスケーラビリティでリソースの柔軟な拡張・縮小が可能となり、カメラの追加や入れ替えなどの迅速な対応が可能となりました。AWSを活用して安全管理の幅を広げるとともに、コスト効率の向上とシステムの柔軟性を追求し続けます。

今後の展望:AWSのさらなる活用

今後も技術の進化を積極的に取り入れ、さらなる安全管理の強化と業務効率の向上を目指します。不安全検知の対象をフルハーネス以外にも拡張し、生成AIを活用してコストを抑えながら高性能を維持します。また、AWSの新しいクラウドサービスやツールを積極的に採用し、インフラの最適化と環境保護に努め、持続可能なサービス提供を目指します。

サービス拡張と新技術の採用

1.サービスの拡張

現状はフルハーネスのみが対象となっていますが、ヘルメットや腕章など、不安全検知の幅広い活用に向けての拡張を検討しています。利用する現場ごとで異なるルールや、他の会社様での利用などを考慮し、どの不安全を検知するのか、といった取捨選択も可能になると、汎用性のあるシステムになると考えています。

.新技術の導入

GPU搭載によってもたらされる高パフォーマンスにより、不安全検知の即時性が確保されていますが、GPU搭載のEC2は、他のリソースと比較するとコストの掛かるリソースとなります。これを昨今話題の生成AIを利用することで、同等のパフォーマンスを確保しながらコストを抑えられることが期待できます。新しい技術をすぐに取り込むことのできるAWSで構成されたシステムであることを活かし、生成AI利用によるさらなる成長を目指します。

AWSとの連携強化

AWSが提供する新しいクラウドサービスやツールを積極的に採用し、インフラのさらなる最適化を図ります。AWS Lambdaを活用してサーバーレスコンピューティングを強化し、システムの運用効率を向上させます。また、Amazon SageMakerを導入し、AIと機械学習の分野でのサービス利用を拡大する計画です。これにより、高度なデータ分析と予測が可能となり、顧客にとって価値の高いサービスを提供できるようになります。

サステナビリティと社会への貢献

環境への影響を最小限に抑えるため、持続可能なサービス設計を心掛けています。AWSのクラウドソリューションを利用することで、物理的な資源の消費を抑え、エネルギー効率の高い運用が可能です。これにより、企業としてのカーボンフットプリントを削減し、環境保護に貢献します。さらに、再生可能エネルギーを使用するデータセンターを活用し、地球環境に優しい運営を実現します。持続可能な社会の実現に向けて、環境保護活動にも積極的に取り組み、企業としての社会的責任を果たしていきます。